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続・ウクライナ情勢の今後を予測する

この記事の続きです。

ネットをざっと見た限りでは、「プーチンには合理的な勝算がある」と思っている人が少なくない。従って、ロシアのウクライナ侵攻は実を結ぶと予測している人も多い。

また、そこから敷衍して日本の未来を憂う人が多い。ロシアによるウクライナ侵攻が成就されてしまうと、今度は中国による台湾や日本への侵攻もやがては成就されてしまうのではないか。実際、香港侵略はすでに成就されかけている。だから、日本もそれに備えて軍備を強化した方がいいという人も出てきた。

そういう予測をする人たちにおしなべて欠けているのは、「プーチンは狂っている」という視点だ。そして、「ロシアには、実は全く勝算がない」という視点である。

なぜそういう視点が欠けているかというと、「それは合理的ではない」と思うからだ。彼らは「狂った男が大国のトップに居座ることなどできるはずがない」と思っている。また「大国のリーダーは、勝算もなしに他国に侵略などしない」というのを、合理的な考えとして抱いている。

しかしながら、より合理的に考えるならば、これまで歴史上、狂った人間がトップに立つということは何度もくり返されてきた。だから、その事例がくり返されたという可能性を排除することの方が、むしろ非合理的だ。また、別の人は「狂った人間が国のトップに立ったのは昔の話で、文明が進歩した現代ではありえない」と考える。しかしそういう人は、そもそも人間社会の構造や、その行動原理が理解できていないといえるだろう。

昔も今も、社会や国の構造、そして人間の行動原理というものは変わっていない。それが変わらなければ、そこで起こる事象も変わらないのだ。

では、どのような社会構造、人間の行動原理が変わっていないかといえば、昔から今に至るまで、国のトップに立つのはほとんどの場合で「人気者」だということである。特に、その人気が高ければ高いほど、支持率が高まり、政権が長期化する。これに異論のある人は誰もいないはずだ。日本でも安倍政権が長期化したのは人気が高く、従って支持率が高いまま推移したからだし、ロシアのプーチンなど輪をかけてそうだ。ロシア史上、空前絶後の人気をいまだに誇っている。

では、国のトップが大衆の人気を得る上で、最も重要な要素とは何か? 言い換えるなら、どういう人間が人気を得ることができるか?

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