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日本経済はスタグフレーションに入りつつある(もしくはもうすでに入っている)

すでに少なからずの人が気づいているかもしれないが、日本経済は今、スタグフレーションに入りつつある(もしくはもうすでに入っている)。

スタグフレーションとは何か?

それは、不況とインフレとが同時に進行することである。「stagnation(停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語だ。Wikipediaに説明が詳しい。

通常、インフレは好況と同時に起こる。好況になると、人が物を買うので、供給不足になり、物価が上がる。だから、人々にとってそれほどのダメージはない。社会が緩やかなインフレを目指すのはそのためだ。

また、不況で給料が下がると、生産コストが低まり、人々の購買力も下がるので、デフレが起こりやすい。これも、人々に与えるダメージは比較的少ない。いわゆる「失われた30年」の間、日本は給料こそ上がらなかったものの、極端なデフレも起こった。おかげで、実質賃金は部分的には上昇さえした。だから、この30年間、社会はそれほどの困窮には見舞われなかった(逆に、今そのツケが回ってきたのかもしれないが)。

ところがスタグフレーションは、給料は下がるのに、物価は上昇する。これで、多くの人——引いては社会が、決定的なダメージを被る。

スタグフレーションはなぜ起きるのか?

そこには大きく4つの要因があるという。

1.供給ショック
何らかの理由で供給が滞ると、物価が上昇する。今は、コロナが理由で石油や半導体、木材などの供給が滞っている。さらに、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー供給はますます滞るだろう。これが、今次スタグフレーションの最も大きな理由となる。

2.物価と賃金のスパイラル
失業率の上昇とインフレが同時進行するのもスタグフレーションの一つだ。今、日本では失業者が増えている。

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