ジョン_レノン

アホみたいに見えるかもしれない。

ジョン・レノンのドキュメンタリーを観ている。

楽曲でしか知らなかったから、生のジョンは驚きだった。
特にオノ・ヨーコさんと出会ってからの活動は。

2019年のいま観れば、そんなに変なことは言っていないのかもしれない。でも、1970年代にはアホみたいに見えたと思う。

「愛と平和」「戦争反対」

そんな当たり前のことを伝えるのに、なぜジョンはあんなに狂ったような真似をしなければならなかったのか。ドラッグやアルコールに溺れなくてはならなかったのか。つらく苦しい道を歩まなければならなかったのか。

ヨーコのせいだろうか。
ビートルズのままでいた方がよかったのだろうか。

でも、僕にはヨーコとの出会いによって、ジョンがもともと持っていたものが純化されたように見える。そして傷だらけのまま、そのすべてを晒しながら、生きて、死んだように。

同じ苦悩を、ウォルト・ディズニーに、スティーブ・ジョブズに、マイケル・ジャクソンに、フレディ・マーキュリーに見て取れる。彼らはみな「真実の自分」になろうとして苦しんだように見える。

そして、皮肉なことだけれど、その苦しみの大きさが後世にレガシー(遺産)を遺すことになったのかもしれない。

俺はこう生きて、死んだ。
その五分の魂を遺すようにして。

You, you may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you will join us
And the world will live as one

書き写してみて「You は二回なんだな」と気づく。

そして、「you may say I'm a dreamer」を「アホみたいに見えるかもしれない」と訳したくなる。

アホみたいに見えるかもしれない。
でも、僕一人じゃないはずだ。
君もいつか加わってくれたらいいな。
そしたら、世界は一つになるはずだ。

FBIに盗聴されたり、尾行されたり、アメリカから追放されそうになったりして、怖くないわけがないのだ。

それでもやった。

ふとキリストやブッダや親鸞もそうだったのかな、と思った。迫害が怖くないわけない。後世の人が描くようにあんなに達観していたわけがない。

それでもやった。

だから、ものすごく理解者が欲しかったはずだ。

「I hope someday you will join us」

その「you」は重く切実だ。

だから二回言ったのだと僕は思える。

「You, you」と。

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