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経済 or

いいニュースだなと思って読んだ。

僕自身はお酒を飲まないが、ストロング系チューハイの健康問題については見聞きしていたからだ。

沖縄でアルコール依存症の方をサポートしている団体や当事者に現状を伺う機会がありました。そこで 沖縄ではここ数十年でアルコール依存症の方が増えていると伺いました。当事者の方からはストロング系チューハイを睡眠薬みたいに寝る前に飲むのが癖になってしまったという話も伺い、黙っていられなくなり、販売終了を決断したのです。

経済よりも生命を優先する、この「黙っていられなくなった」態度にホッとするものをおぼえた。たぶんコロナ禍において、そうでないケースをいくつも見てきた影響だと思う。

お金か命かなんて、比べようもないじゃないか。
子どもでもわかることだ。

コロナの話がはじまった当初、僕は短絡的にそう思っていた。
でも現実はそうは動かない。さすがに露骨には言わないが、命よりもお金を優先するような判断が次々に散見され、いまも続いている。

それは遠いニュースの中の話ばかりではない。自分たちの職場の働き方を考えるにあたっても、ひとりひとりのリスク感覚は違う。営業することがいいことなのかわからなくても、仕事をしなくてはお金にならない。お金がなくなれば命にかかわると思っているから、危険があっても出勤せざるを得ない。

お客さんとしての僕たちもそうだ。出かけたい気持ちはある。でも感染させるリスクもある。買い物をすれば経済はまわる。だけど行ってもいいのかな。ぐるぐるする。

僕も含め、多くの人がこうした「経済 or」の問いの前で逡巡していたんじゃないかと思う。そしてそれはいまも続いている。

経済がどうしてこんなに強いのか、改めて考えてみると僕にはよくわからない。「そういうもんだ」と言えばそうなのだけれど、そんなに大事なのかなという気もしてしまう。もちろんお金がないと大変なのは身にしみてわかっているつもりだけれど。

先のストロング系チューハイの販売中止だって、すべてのメーカーがそうしているわけではない。どのような理由かはわからないが、大手メーカーは「販売できる」と判断している。そういうもんだよな、と僕も思う。でも、どうして「そういうもん」なのかはよくわからない。

この魔法のような呪いのような経済の強さが、なんだかしっくりこないまま、「そういうもんだよな」と飲み込んでいるうちに、余計になんだかわからなくなる。

でも、やっぱりお金と命は等価じゃないですよね。
難しいのはそれが「自分のお金」と「他人の命」という選択になってしまうからかもしれない。自分たちのお金を増やすための判断も「経済をまわす」というと、なんだかいいことのように聞こえてしまうから。

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