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移住レベル1。

よく書く話だが、名作RPG『ドラゴンクエスト』において、それまで戦士だったキャラクターが魔法使いなど別の職業に転職するときには、レベルが1に戻る。

これは現実の転職でもそうで、職場を新たにするたび新入社員からのスタートになり、レベルが1に戻る。(ヘッドハンティングされたりすると違うのかもしれないが、されたことがないので分からない。)

転居でもそうで、新しい土地に行くと「ゴミはどう出すんだ?」とか「ハサミはどこの引き出し?」とか、それまで難なくできていたことがいきなりできなくなる。

そのせいだろうか、いま、これから仕事でかかわる人に挨拶してまわっているが、みんなすごい人に見えて仕方がない。

自分よりも長く住んでいて、自分よりも長くここで働いている人たちと、レベル1に戻ったばかりの自分。

ほかの人たちを地上からエンパイアステートビルを見上げるような気持ちでみているところがあって、何人も会うと自信をなくしそうになる。

友がわれよりえらく見ゆる日よ

と、先日も引用した石川啄木の歌をこうしてまた詠んだりしてしまう。

でも、経験上、この感じはしばらくすると消える。
いつの間にか「一員」になって対等になり、話したり働いたりすることが急にらくになるのだ。

なじむ、とは、おそらくそうして起こる化学反応のことなんだと思う。

そのことを知っていたからといって、最初のレベル1が免除されるわけではない。移住して二週目。レベル1からさほど経験値が貯まっていないまま、新たな仕事がどっ、 と押し寄せてきそうな予感がしている。

できれば 20くらいまでレベルを上げてから臨みたかったが、いきなり竜王戦かよ、みたいな気分だ。

そうでなくてもここ、那珂川・南畑に来てから、台風は二個来るわ、大きな落雷が来るわで、ホント待ったなし。

いろんなことがかなりの速さで進んでしまうので「ちょ、待てよ」と心のなかでキムタクまで登場させてしまいそうな気分のまま、二週目の勤務が終わった。

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