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20代でも閉経する

不妊治療クリニックで働いていると衝撃を隠せずにはいられないことがある。

20代で閉経する女性がいる

わたしは看護学生のとき、女性の閉経年齢は50歳前後だと習った。それを疑ったことはなかった。周りの閉経年齢を知るすべはなかったけれど、狭い範囲での職場の先輩看護師や母親、その友人をみると50歳前後の閉経年齢は相違ないように感じていた。だから、女性の閉経年齢が50歳前後と習った内容に違和感を覚えたことはなかった。

でも、不妊治療クリニックで働いてカルチャーショックを受けるのである。20~30代の女性でも閉経することがある。

冷静に考えてみると、平均の閉経年齢が50歳前後なのであって、それまでの間に閉経する女性がいてもおかしくない。それを狭い情報のなかで勝手に閉経するのは50歳だと断定してしまったのは私の思いすぎだった。

初めての出逢いは、25歳の女性だった。
結婚を考えている彼がいて、妊娠できる身体か知りたいとの理由でブライダチェックを受けに来ていた。彼女は「今まで健康で病気したことなくて、だから妊娠もできるかと思うけど…」と付け加えた。月経周期を確認したとき、確かに『月経不順がありそうだ』と思った。でも、月経不順は女性に良くあるホルモンバランスの乱れだろうなと思って気にもとめなかった。ふ

それが数日後、採血結果が届いて衝撃を受ける

AMHという卵子の残り数がゼロだったのだ。
AMHは卵子の数を反映していて、そこに残っている数で妊娠可能な期間を推察できるという採血項目。

20代でAMHがゼロ
これは閉経しているかもしれない。急に深刻感が増した。次の来院でエコーをしてみると、卵巣はすでに小さくなっていて、閉経している女性の卵巣とそっくりだった。

AMHと閉経卵巣
この2つの情報を目前にしても、信じられなかった。本当に20代で閉経することがあるのか?

婦人科の医師に聞くと、20代でも閉経すること、それには早発閉経という診断をすることを教えてもらった。
(そこから早発閉経の女性に複数人出会うことになった)

入籍を考えていて、ブライダルチェックを受けた女性に、閉経しているので妊娠は厳しいことを伝えなければいけないことを思うと心が痛んだ(実際に伝えるのは医師の役割なのだけど)

同じ女性として、感情移入してしまったのかもしれない。まさかこんなに早くに妊娠できなくなるなんて想像もしてなかっただろう。結婚したいと思える彼がいて、こらからを見据えていただろう…

もちろん子どもを産み育てることが女性の生きかたでないことは承知で、わたし自身子どもを育てることに執着はない、と思っていた。でも、それは望んでいないから子どもがいない前提だからだ。

望んでいないから子どものいない人生

望んでいるけど子どもを授かれない
のは大きな違いがある。じぶん自身が望んでいないなら割り切れる。選んだ人生だと。でも望んでいても叶わないとなると耐え難いダメージを受けるだろう。

この女性との出逢いで、若くて健康でも妊娠できない可能性を突きつけられた。

時間をかけて冷静さを取り戻したわたしが考え始めたのは、女性が妊娠したいと思ったときに後悔しないために情報を届けようということだった。

近くに"将来ママになりたい"女性や女の子がいる方に知っておいて欲しい。早発閉経というものかあること。


早発閉経にも前ぶれがある。

  • 月経周期が乱れ始めこと
    (周期が長くなったり短くなったり)

  • 経血量か減り始めること

早発閉経はその女性の命に関わるような重大な病気ではない。
でも女性の人生に大きく影響する。知っておきたい情報。しかも早発閉経かもと早い段階で気づくことが出来たら早めの妊活で妊娠も間に合うかもしれないのだ。知識で未来が変わるなら、知っておいたほうがいい。

女性の生きかたは色々あっていい。
子どもがいる人生もいない人生も等しく素晴らしい。ただ、子どもを望んだときに知らなかったことで後悔することは悲しい。だから知って欲しい。女性の身体と妊娠のこと。

今日はここまで。長い記事を読んでいただき、ありがとうございます🌷
ここから定期的に将来ママになりたい女の子のために記録を残します。不妊治療ナースだから伝えられる女の子のための情報を。

女の子の妊娠力をサポートするために
出来ることは知ることから始まると信じて。

文中に出てきた月経周期のポイントについて
もっと詳しく知りたいかたはこちらを参考にどうぞ↓

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