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金(Gold)の投資は、略奪・没収のリスクがある 〜50年で10倍、S&P500は78倍〜

ゴールド(金)の投資について、「世界の金保有量」です。

世界各国の金保有量ランキング上位
1.アメリカ:8,133.46トン
2.ドイツ:3,352.65トン
3.IMF:2,814.04トン
4.イタリア:2,451.84トン
5.フランス:2,436.81トン
6.ロシア:2,329.63トン
7.中国:2,092.31トン
8.スイス:1,040.00トン
9.日本:845.97トン
10.インド:796.50トン

2023年5月末時点での世界各国の金保有量ランキング上位の一覧です。
データ:WGC

戦後の復興で得た利益で日本は金ではなく米国債を買い続けました。(正確には、「買わされ続けた」という表現がいいでしょう)

同じ戦後ゼロから出発したドイツは金を買い、今や日本の約4倍と言う差が出てしまいました。

日本の金は、公式には、米国ケンタッキー州のフォート・ノックス陸軍基地という場所に、預かられていることになっている。

本当にあるのか既に使われているのかさえ分からない。

過去に、ドイツがNY連銀に預託している公的保有金の一部を「現物監査」のためフランクフルトに戻す措置を取った事例もある。

米国の金は、FRB傘下のニューヨーク地銀の地価の保管庫に総保有高の90%近くの7000トンが眠っています。

日本のように、保有しているはずの金は英国や米国にある。

つまり、資産としての金の最大のリスクは、値が下がる事ではない。

資産として保有していたものが略奪や没収される事です。

株券や国債も紙で管理されていた時代に、担保となったり没収されるリスクがあった。

例えば、最近、BRICSの一角として、金を買っていることで話題になるサウジの王様などは、王制国家のため自国の政変のリスクが高く、金塊を海外に保有している。

その金塊の多くは、世界の金現物取引の中心地ロンドン市場の大手銀行カストディアンに預託されている。

つまり、有事の際、金は没収される可能性がある。

個人の金の保有においても、物理的に金の延べ棒を保管できるのか、などの大きなリスクを考えなくてはいけません。

さて、次に金本位制について。

金本位制とは、世界経済が小さかったから成立した古い考え方です。

1816年に英国で始まった金を通貨の価値基準とする制度です。

各国の中央銀行が発行した紙幣と同額の金を保有し、いつでも相互に交換することを保証する。

19世紀から20世紀の初めにかけて世界で取り入れられていたが、1929年の世界恐慌以降、相次いで廃止した。

わずか113年で終わった仕組みです。

この原因は、至って単純で、紙幣と金を交換出来なくなったからです。

ところが、ここ数年、BRICS通貨が始まると予測され、その通貨の価値が”金本位制”の復活と言われています。

厳密には、金以外のコモディティーである石油・銀なども通貨バスケットに入れられるようです。

世界経済は、1816年(金本位制開始)に6,950億ドル(現在価格100兆円)で、現在2022年96.51兆ドル(1,370兆円)ですから、206年間で名目138倍です。

物価の違いから算出すると、実質何百倍になります。

本来の金本位制というのは、金と政府通貨を交換できる事ですから、現実の世界の経済規模とは釣り合いません。

つまり、金との交換は出来ないから金本位制ではない。

金というのは、50メートルプール3倍分しかないと言われます。

しかし、実際、物理的には金は世界中でほぼ無尽蔵に採掘可能とされています。

シェールガス採掘技術の進化により、石油・ガスが世界中で採掘可能となっていることと同じようなことは起こる。

金の価格が異常に高騰すれば、日本の金鉱山は復活するかも分かりません。

しかし、国が倒産しないのと同様に、国は通貨発行権を手放すことはありません。

そもそも、金で買い物すら出来ないのですから、金は中央銀行券に変えるしかありません。

1975年からの48年間で、円建ての金価格は1980年以降2000年までの20年間にわたって下落を続け、現在までの23年間で上がっています。

ドル建てでは、30年間の横ばいを経ての上昇です。

国際的な現物取引における指標価格は、毎営業日の午前10時半と午後3時にロンドン金市場において決められます。

これに対して、先物取引価格はニューヨーク金市場の取引価格が指標となっています。

現在、世界の基軸通貨がドルですから、近年のような円安になればドルに比べ大きく上昇します。

金、NYダウ、S&P500の倍率で見てみます。

金は、50年で約10倍になりました。

NYダウは、50年で約45倍。

S&P500は、50年で約78倍。

次に、20年間では。

20年前の金の相場から、約7倍。

NYダウは、20年間で7倍。

 S&P500は、20年間で 46倍。

次に、金ETFです。

金ETFとは、金への投資を商品市場ではなく、投資家になじみ深い株式市場で行えるようした新金融商品で、金地金で運用する投資信託を株式市場に上場した上場投資信託(Exchange Traded Funds)です。

Googleより

2004年、米国初のゴールドETFが誕生した。

有名なETFは、SPDRゴールドシェア(GLD)ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX)純金上場信託(1540)です。

金の現物に投資して得た利益は、譲渡所得となり、給与などの他の所得と合わせて総合課税(累進課税)の対象となります。

金ETFに投資して得た利益は、株式や投資信託と同様に、分離課税の譲渡所得となり、税率は20.315%です(2024年1月現在)。

気をつけなくてはいけないことは、先物取引などの取引価格が不安定になることがあり、実際の金価格とETFの基準価額との間に大きな乖離が発生する可能性があります。

最後に、現代の世界の金融の仕組みは、ロスチャイルド家、ロックフェラー家などのほんの一握りの国際金融資本家により創られたものです。

これから起こると予測される、世界金融危機、グローバルサウス勢力の勃興、世界基軸通貨ドルの衰退、CBDC( 中央銀行デジタル通貨)への転換 などにより、金投資も大きく変化するかも分かりません。

世界の金融の仕組みが変わる、歴史的な転換期に入りました。

過去をいくら分析しても未来は見えてこないのが”投資”の世界です。

投資初心者は金融の原理原則を学び、自らの投資ポートフォリオ作りにより「未来のリスクを分散する」ことが投資の要諦となります。

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