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日記 2024.7.27(土) 心地いい場所、人に出会う旅。


なぜか2時に目が覚める。昨日買ったコーヒー、夕方に残りを飲んだのが効いたかな。カフェインを摂る機会が減るとカフェインの効果をはっきりと感じるようになる。飲む時間を考えてみる必要がありそうだ。とはいえ、すっきりと目覚めて2時から静かに目を閉じたり開けたりしながら布団の中で過ごした。小鳥が朝のミーティングをし始めたあと、カラスが鳴き始めた。少しだけ開けた窓から入る外の気配に、時々耳をすますのが楽しい。

6時に起き上がる。今日は洗濯はしないしお弁当作りもないので朝の支度はあっという間に終わる。お味噌汁の残りとバナナの朝ごはん。梅生番茶を飲んでひと息つく。

小学生の頃、わたしは息の仕方が分からなくなって呼吸が苦しくなるという症状に見舞われたことがあった。いろんな病院へ連れて行ってもらったけれど体は特に異常なしと言われた。え、でもわたしは苦しい。誰にも自分に起きていることを分かってもらえない、説明できない。
今思えば精神的なものからきていた苦しさだったのだろうけれど、当時のわたしはそんなことわからなかったのでただ苦しくて原因が分からず対処の仕方も分からなくてちょっとつらかった。病院へ行っても苦痛を取り払うことはできないんだ、そう感じた。じゃあ自分でなんとかするしかないじゃないか、わたしの苦痛への研究はここから始まっていったのだと思う。お母さんがわたしを病院へ連れていってくれる時、学校へ行って他のことへ集中している時は息はできて苦しくもないのはなぜだろう。なぜだろう。

苦痛からの解放は小学生の頃からのわたしのテーマであった。わたしは好きなものを収集するよりもいかに苦痛を小さくするかということに集中してしまうところがあったのだ。わたしはその答えを保健室に求めた。保健の先生はわたしが見つけた最初の先生であり心地のいい場所だった。

保健室の扉を開くとすっと肩の力が抜ける。やさしくやわらかな日差しが入り込んでいる室内。やさしい先生の声。保健の先生はわたしのことをいつもまっすぐみてくれた。すこしも疑わずわたしの話を聞いてくれた。わたしは保健室が先生が大好きになった。

朝の時間は頭がクリアなのでそのまま動きたい。家にいるとぼーっとしてしまうので、一度外に出て場所を替えるといいと知っている。図書館へ行くことにした。8時台の街。ゴミの収集車が行き交う。じんわり暑いけれど太陽はまだ低い。西の方向には月も見えた。9時開館の図書館へ。開館前に着いたのは初めてだった。入り口の周りに行列ができている。おそらく図書館の席を取るための列なのだろう。わたしはカフェスペース行きだけれど。開館を待つ間どんどん行列は長くなるのでわたしもその列に並んでみる。サンダルで行ったのでむちゃくちゃ蚊に刺された。
図書館は9時ぴったりに開館し、長い行列は前にどんどん進む。50番目くらいのところにいたわたしはカフェへ一番乗りだった。お気に入りの席を確保してホットコーヒーをタンブラーへ入れてもらう。ふかふかひとりソファに座るともう満足できた。ああ、そうか、満足が大事なんだ。朝の散歩をして満足、ホットコーヒー片手にふかふかの椅子に座って窓の外の緑を眺められて満足。この満足こそわたしを動かす原動力なのだと納得した。
ということですぐにやりたいことを始めてみる。家にいるとなんとなくやりたくない気持ちが混じって腰が重くなることが多いけれど、ここにいるとすーっと自然に手が動く。無理がなく気持ちよく、さくさく業務をこなしていける。

日記を書き、頭の中を整理したらiPadで絵を描く。iPadを自由に使いこなすことがわたしのいまの任務でもある。頭の中にあることが表現できるようになってきた。紙とえんぴつ、それからiPadを使って自由な動きがとれるようになってみたい。
図書館へ来る途中のパン屋さんで買った三匹のこぶたぱんで10時のおやつ。続いてワンピースのお直しをする。pinterestで見つけたかわいい縫い目、見ただけでなんとなく縫い方が分かったのでやってみる。指先が動くと感覚が刺激されて喜ぶ。もっとやりたかったけれどお昼から出かけたいので一旦手をとめて帰ることにした。

お昼ご飯は家で食べる。ここのところ休みの日のパスタがお気に入り。ナスをひき肉に見立てて細かく切り、ごぼう、長ねぎも入れて炒めていく。ピーマンがシワシワになりかけていたので入れたらなんだか野菜炒めみたいになってきた。お水を入れてぐつぐつしたら全粒粉入りのパスタを半分に折って入れて8分。水分が飛んで出来上がる。全粒粉のパスタは少しの量でお腹いっぱいになる。お腹が満たされたら眠たくなって仮眠をとった。台所の床はちょっとやわらかいので直接横になっても体が痛くならない。朝2時から起きているとさすがに眠たかったようだ。30分眠っただけでもすっきりした。

原宿へ。坂口さんの展示が行われているeatrip soilへ。坂口さんもいらしている時間でご本人にもお目にかかることができた。坂口さんの声が音楽のように耳に入ってくる。いつもイヤホンで聴いている声とまったく同じ。心地よくて体から力が抜けていくのを感じた。じんわりと温かくなる。食べ物シリーズの絵も本物をみて思わず嬉しい気持ちになった。ご馳走いっぱい食べたかんじがした。
店内にある素敵な商品もみていると黒大豆納豆を発見。丁寧に書かれたメモ書きを読んでいると、その納豆美味しいですよと隣から声がした。声の主は野村友里さんだった。三種類あってどれがいいですかと聞いたら黒大豆いいんじゃないと言ってくださって、食べ残したら冷凍庫で保管してねと保管方法もやさしく教えて下さった。気軽な会話にまた肩の力が抜けた。
黒大豆納豆と坂口さんのポストカードを買って恵比寿へ移動する。飲んでみたかった松葉ジュースを飲んで満足。サーティビオスクに寄って桃と黒ごまを買った。

eatrip soilで買った納豆。

今日はご褒美日和。坂口さんの新刊その日暮らしは残念、先行分は一旦売り切れとのことでeatripさんでは買うことができなかった。元々Amazonで予約していたのだけれどやっぱり本屋さんで直接買いたいと予約をキャンセルしていたのだった。

帰り道ひと駅手前の書店に寄って聞いてみる。初めて訪れる書店だった。インスタを見ると注意書きがたくさんあってちょっとビビりながら行ってみる。やっぱりまだ置いていないようだった。念のためお店の方に聞いてみると楽しそうに現在の状況、発売元の出版社さんのことを話してくださった。おひとりでやられている出版社さんなのでバタバタだと思うので来週あたりには入荷かなとのこと。のんびり楽しみに待つとしよう。たぶんわたしはこの店で買うだろうなと思いながら店を出た。

今日は少しだけ深く人と話すことができた感じがした。大好きな坂口さんを(勝手に)通しての広がり。好きな人やことから広がる話は心地いい。

ひとりの時間は一旦満足しきった。今度は心地よくて気持ちがいい、温かい会話が広がるようなところに出向き、いいなと思う人に出会ってみたい。保健室の先生以来のわたしの先生である坂口さんにもいつかちゃんと出会ってみたい。

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