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日記 2024.7.15(月) 台所にあなたの気配。

6時に目が覚める。体はまだぽっかぽか。昨日は自由のワンピースを着てまだ明るいうちに銭湯へ出かけた。ようやく陽が落ちてきた帰り道、ひと気のない住宅街。遠くの公園から小さくセミの声が聞こえた。温まりきったわたしの体を、静かに風が通り抜けていくのが気持ちよかった。陳皮の湯の効果なのだろうか、足の裏が熱いくらいなのだが。布団からはみ出し冷たくなっていたふくらはぎに足の裏をくっつけて温度調節する。

もうほとんど喉の調子は良いのだけれど、油断しないで今日も梅醤番茶からスタートする。朝一番、空腹時の梅醤番茶はしあわせそのものである。
お父さんからメッセージ。お父さんの弟である大阪のおじちゃんの様子が深刻な状況らしい。お父さんはまだ吐き気もあって寝込んでいて会いに行けるか分からないとのこと。電話して詳しく話を聞く。お父さんは冷静さを装っていたけれど、一度にいろんなことが起きてどうしていいかわからないという様子だった。いろんなところへ連絡したりシステマチックなことはひとつずつやっているようだったけれど、お父さんの気持ちや心のほうも心配だ。

大阪のおじちゃんの生きたい、という声がわたしには聞こえるような気がする。いま生きているおじちゃんの顔を、ちからを、声を、聞こうとしている人はいるだろうか。力強く生き抜いたじいちゃんとばあちゃんの息子であるおじちゃんの生きようとする姿をわたしは応援し続けたい。

今日は朝からひと雨あった。カーテンを開けて雨を見つめる。近所の木々の葉っぱの上にたまった雨が落ち、ときどき葉がぶるんと動く。変化は常に起きている。

この間買ったライ麦のパンがすごく美味しい。ひまわりのタネとかいろんなものが入っていて食感も風味もすごくよい。ゆっくりと噛んで食べたくなる。小さなひとかけらでもお腹がちゃんとふくれるのもいいな。朝ごはんとしてぴったりなのだ。

散歩気分で図書館へ。気持ちのいい椅子に座ってコーヒーを飲むために行く。歩いて25分くらいの距離がちょうどよい気分転換になる。開館直後の9時過ぎに着いたけれど今日は休日なのでカフェはすでにたくさんの人だった。それでも広々として静かな空間は気持ちがいい。よかった、深いふかふかソファの席は空いていた。

お昼前に図書館を出る。いつも通り、少し先にあるこだわりの八百屋さんへ寄ってから帰る。新生姜をまた発見した。お母さんにあげてしまった東城百合子先生の自然療法の本を買おうとしたが売り切れていた。入荷するのを待ってまた買いに来よう。
にんじんと玉ねぎをお裾分けしてくれたり、手作りの品を送ってくれたりするまいちゃんにささやかなお返しをしたいと思う。天日と平釜のお塩、まいちゃんが気に入ったというアガベシロップ、ハチミツを送ることにする。
ハチミツを買うために近所の産直市場へ寄ったらいつも買うハチミツに新たにクリのハチミツが登場していることに気づいてしまった。鉄分、ビタミン、カルシウムが含まれると書いてある。これは食べたことがないので思わず興奮してしまった。実家の二人にも送ることにして三つ買ってみる。
家に向かって帰りながら実家へほかに何か送れるものはないかなと考える。買った新生姜を紅しょうがにしたものと、作っておいてある梅肉エキスも一緒に送ってみることにした。

お昼ご飯は今日もパスタ。昨日の味の薄さを教訓に、今日は水を少し少なめにしつつ、大豆の煮汁や出汁っぽくなるようなものをしっかりと入れて作ってみる。トマトを刻んでたくさん入れたのでアガベシロップも入れる。今度はすごく美味しくできた。具沢山だったし全粒粉入りのパスタなのでお腹がいっぱいだ。

少しだけ横になり目を閉じる。一気に動けそうな時も、少しだけこの時間をつくるといい。習慣にすると目を閉じるだけで切り替えがきちんとできるようになってくる。

梅肉エキスを自分用に少し取り分けておく。紅しょうがを作る。やわらかい新生姜とはいえ、お父さんが食べやすいようにとなるべく薄くスライスしてみた。ちゃんと切れる包丁を使ってひとつひとつ気持ちを込めてゆっくり切るときれいに薄くスライスできた。3%の塩で新生姜をもみ、水分を絞って黒酢と赤梅酢を1:1で注いだらもう完成。紅しょうが作りはもう5回目くらいだろうか。気持ちの良い空気の中で気軽に作ることができるようになってきた。紅しょうがを入れた瓶にレシピと日付、保存方法のシールを貼った。梅肉エキスの瓶には日付と保存方法のほかに、本に載っていた期待できる効果を書いておいた。

わたしの作った梅肉エキスと紅しょうがと。

まいちゃんにもメッセージをつけてそれぞれ荷物を梱包し、郵便局へ行く。帰り道歩きながらお母さんと電話で話す。荷物の内容を伝えながら一時間くらいしゃべった。心配なこともあるけれど協力し合い実践を続けようと確認し合う。

夕飯をつくろう。冷蔵庫の中、食糧庫にはまいちゃんの育てた野菜と実家からの食材、わたしの作った保存食がいる。わたしはひとりではないとはっきりと分かる。周りの人の協力を得て今日も自分でごはんを作り、食べ、美味しいと感じながら生きることができている。なんと心強いことか。この気持ちをわたしも渡せるようになってみたい。信頼される人になっていきたい。

日常を実践し、試すことは自分を生きるということ。自分を生きながらわたし自身も、目の前にいる人も助けられるようになっていくのだ、と内側の方から声がした。

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