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日記 2024.4.7(日) 贈り物を選びながらものの選び方について考える。

安心感のある部屋に帰ってくることは嬉しいけれど、楽しくは感じなくなってきている。外に出かけたい、そういう時期なのだろうか。何か新しいこと、わくわくするための準備に取り掛かるべきだというように感じる。学ぶことは好きなことのはず。どんどん吸収したくなるようなことに出会いたい、自分を表現するための準備としてもう一歩前に進むべきだと感じている。
わたしはいま乾いている。みずみずしさがない。何かが生まれてくる瞬間のくるしみも習慣化していけば気持ちよさに変わるだろうか。じぶんから逃げていたっていつまで経っても不安はなくならないし、しあわせになんてなれるわけがない。自分に厳し過ぎてやめたくなるようなことにはなりたくないけれど、やめたくなった時にこそあたらしいアイデアがうまれる、そんな気もする。分からない。

台所に立てばやっぱり自然と手は動く。朝の動きはもうしっかりと染み付いて他のことを考えながらでも進められる。台所にはすべて役割のあるものだけがそれぞれの持ち場にいる。ほとんど使わないものなんてない。すべてがいつも使うもの。大切にしたいものだけある。

天気が良いなら洗濯をするしかない。じめっとしたわたしの気分も一緒に洗濯機に放り込み洗ってもらう。今日は冬物もひとつ洗濯しておきたい。キルトのコートをじゃぶじゃぶつけ置き洗いする。すすぎ0回の洗剤だと手洗いの時もすごく使いやすい。何度もすすがなくていいともっと洗濯は楽しくなる。洗濯している間に床を雑巾がけしていく。雑巾がけって最高に気持ちがいい。順序よく端から拭いて埃をすっきりさせていく。汚れた雑巾が誇らしい。洗って干しておく。
洗濯物は今日は何故だかたくさんだった。冬より春の方が洗濯物が増えるのかな。ピンチハンガーが途中で足りなくなって物干し竿に靴下を干す。えのきも忘れずに外へ出す。窓もカーテンもしばらく開けっぱなしで部屋の空気を入れ替えよう。ああ気持ちがいい。
冷蔵庫の間引き菜はいよいよしなしなになってきた。これは使い切らなければと取り出してお昼の準備をしておく。いつもの出汁要員たちを投入しておいた。干し椎茸の香りが食欲をそそる。大根の間引き菜たっぷりとにんじんのお味噌汁を作りながらご飯を温める。冷蔵庫の中もいまはシンプル。野菜も少ししかないけれどなんとか持っていてくれる。あわてなくても大丈夫。お味噌汁に酒かすを入れながらそういえばと思い出す。酒かすを使って粉チーズが作れるという話を聞いたのだった。やってみようとレシピを探す。家にあるものでできる片栗粉を使ったレシピを見つけた。酒かす70g、片栗粉40g、塩麹小さじ1をボウルに入れて混ぜ合わせる。ここにココナッツオイルを30g入れて擦り合わせるように混ぜていく。これをフライパンで火を通すと香ばしい香りがしてきた。酒かすがチーズになるって全然よく分からなかったけれど、フライパンで火を通していくとほんのりふくよかな香りが漂ってきた。ぽろぽろになっていく姿も粉チーズのよう。めちゃくちゃ美味しそうだぞとひと口食べてさらに驚く。これは、なんというか、思っていた以上にチーズ。ぱらぱらのふりかけみたいでそのままおやつとして食べても美味しいし、カレーにかけたりしても美味しそう。魔法のような楽しい実験だった。これはとお母さんとまいちゃんに報告してみる。出来上がったチーズは冷まして瓶に詰める。お昼のお味噌汁に入れても美味しかった。

朝飲み忘れたビタミンの薬を飲んで少し横になる。眠たい眠たい。心地よい空気が通る台所にブランケットを敷いてひと眠り。横になるとちょっと寒いのでクマを抱いてコートを掛けて眠った。ぐっすり昼寝。なんだか出かけるのが面倒くさくなってきたけれど外には出たいので準備して出かける。まいちゃんのお誕生日プレゼントを求めに吉祥寺へ向かった。
ちょうど桜が満開で信じられないくらい盛り上がる吉祥寺。うっかり井の頭公園のメイン通りに入ってしまってすぐに後悔する。人口密度と日差しもたっぷりでめちゃくちゃ暑くなってきた。コートを脱いでTシャツになる。Tシャツの中を風が通り抜けて気持ちがいい。公園をぬけて住宅街へ。一気に静かになった。キッチン用品のお店へ行ってみたけれど自分の欲しいものばかりでプレゼントに良さそうなものは見つけられなかった。渋い民藝屋さんへも行ってみようと戻る。井の頭公園はなるべく通らない道を選んで進んでいると小さな公園を見つけた。ここはほとんど誰もいない。桜も井の頭公園と同じく満開。すごく綺麗
な場所。大きな桜の木から静かにはらはらと花びらが舞っている。おだやかな空気が流れる。足を止めて写真を何枚か撮ってみた。久しぶりに気持ちのいい写真を撮ることができた。民藝屋さんでは個性的な胡麻の入ったお茶をまいちゃんに買ってみた。他のお店もいろいろと回ってみたけれどなかなかメインのプレゼントには出会えない。畑仕事の時にバンダナとしても使えるかなとインドのハンカチを買った。なんだか珍しい小豆色でひとめぼれした。

空気がきもちいいので帰るのがすっかり遅くなってしまった。今日は食材は何にも買わなかった。夕飯はお味噌汁の残りに玄米餅。お餅はほんとう重宝するなあ。一個で満足する。食後に干し柿をひとつ。元住人がくれた干し柿はやわらかくってぷりんとしていてまっしろ上品でかわいい。公園で食べようかと持って出たけれどゆっくり桜をみる時間はなかった。頭の中に夜桜を思いうかべながら干し柿を食べる。なかなかいいお花見ができた。

今日もよく歩いたのでふくらはぎが疲れている。わたしはほんとう体力がすごいよなと思う。これまでずっとこの体力に支えられてやってきた。精神力をカバーするだけの体力があったのだと思うし、まだ衰えてはいない気もする。だけど体力任せの日々にはもう戻らない。心の体力をつけて心地よさのバランスをとりながら自分を運営していく。

ヒーターもなしで気持ちよく机に向かい絵を描いていく。桂浜の砂を描く。たくさんの人が歩いたあとをどんなふうに描けばいいのだろうと考える前に手が動く。やりながら気づいていく。ほとんど出来上がったところで今日はおしまいにする。手前の上から垂れ下がる松をもう少し描き出足したら完成だ。
パステルを使って絵を描くと、紙にこすりつけて余分になった分が粉となってでてくる。いつもこれを捨てていたのだけれどなんだかもったいない。いろんな色の混ざった粉はすごくきれいなのだ。これを取っておきたいと思い民藝屋さんではりみという厚紙に柿渋を塗ったちりとりを買ってみた。見た目がまずすてきで置いておくだけでも嬉しくなる。作業机の上でもすてきに写った。今日1日まいちゃんのプレゼントを選びながらものの選び方について考えていた。家の中にあったら嬉しくなる、そんな視点で選んでいく。いまは家の中にたくさんのものがないから慎重にひとつひとつを吟味する。誰かに頼りながら、相談しながら買ってきたものって、いまあんまり手元に残っていないかもしれない。心から自分が好きだと思えるもの、そんなものだけあればいい。

自分を見つめなおすことでものの選び方も変わってきている。ブレない視点を作っていくことで選びとるスピードも上がってくる。選んだものの中にわたしが浮き上がってくるような気がする。

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