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日記 2024.5.22(水) 素直さの根源を探す。

今日は確かむかし付き合った人の誕生日だったような気がする。もうどうでもいいことなのだけれど、朝一瞬そういえばと思い出してしまった。

いつものように洗濯物を干して朝ごはんを食べて片付ける。今日ももちろんお父さんはお母さんとわたしにもコーヒーを淹れてくれた。昨日のお見舞いの帰りに買ってもらったスタバのカップを持って帰って洗っておいたのでそちらにコーヒーを入れてくれた。
朝からやさしい空気が流れるわが家。近ごろお父さんもお母さんも「ありがとう」が少しずつ増えてきた気がする。なんでも当たり前じゃなくて、なれた関係だからこそひとつひとつ確認しながらやっていく。周りの微妙な変化を感じ取りながら意地悪しないで優しく声をかけ合う。ありがとうの次は、もう一歩進んで積極的に自分も相手も褒めまくれるようになってみたい。

わたしは朝から畑という名の学校へ繰り出す。何にもしなくてもとりあえず畑に向かい学びたい。まずは野菜に水をあげる。明日葉が太くしっかりと伸びてきたのでどうにか料理に使ってみたいな。
今日は庭のほうの草を手でむしって、苔を移植してみる。山側の斜面にある苔をつかんではがし、庭に持ち帰っては並べて、持ち帰っては並べを何度も繰り返していくのが楽しい。あっという間に庭の一部が苔のじゅうたんになった。黄緑色で地面がぱぁっと明るくなって庭が華やかに見える。

昨日の疲れはやはり多少あるようだ。朝早くから移動したりしたし気疲れもした。10時半くらいに畑から戻ってきて洋酒ケーキをお母さんと食べて、わたしはしばらくぼーっとする。今日はお昼ご飯を作るの面倒くさいな。

この間久しぶりにむかしの日記や手帳など入っている段ボールをあけて中を見てみた。
実家に帰ると時々、7年間大好きで追いかけ続けた彼を思い出す。中学生の時からのお手紙は小さな紙袋にまとめて取ってあった。なぜか渡せなかった手紙もたくさんあって読んでいるときゅっとなる。
彼からのお手紙は一通しかなくて、あとはひたすらわたしが書いた手紙のなかの質問に彼が答えを書いて返してくれたのものばかりだった。そういえば、そんなことしていたっけ。もうずいぶんむかしのことで記憶力のいいわたしでもさすがに覚えていなかった。手紙を開くとどばどばとでてくるあの頃のわたしの素直すぎる気持ちにひりひりしてしまった。

わたしはこれまで恋愛だけは素直な気持ちを忘れないでやってきた。中学生の時、最初に好きになったのは女の子だった。小学校1年生の時、学校の帰り道に友だちと二人で歩いて帰っているとき痴漢にあってから、男の人特に大人の男の人というのがすごくこわくなってしまった。だから女の子を好きになるというのはわたしの中ではごく自然な流れだったような気がする。好き同士でいたのは短い期間だったかもしれないけれど、わたしは彼女からやさしく接すること、素直な気持ちを相手に伝え合う喜びを教えてもらったような気がする。

すっかり忘れていたことをいろいろ思い出していたらいつのまにかお昼になってしまった。やっぱり料理をつくる気になれず、お父さんの食料ストックからカップ焼きそばを拝借して(ちゃんとメッセージで確認をとった)、お母さんと二人で食べた。お母さんとお父さんのくんせいベーコンも焼いて、トマトを添えた。なんだかすっごいお昼ご飯だけれどたまにはいい。カップ焼きそばにはせめてもの気持ちでイタリアンパセリを添えてみた。

お昼ご飯を食べたら眠たい。お昼寝をしようかと思ったけれど、一度寝たら出かけるのが面倒くさくなるからとお母さんが言うので、隣町まで買い物に行っておく。お父さんの衣替えの服を洗濯するため、酸素系漂白剤を買いに行く。ついでにバナナと、豆腐、キャベツのおっきいのがあったので買う。今年はキャベツが不作で高いのだそう。ずっしり重いキャベツ1個が420円。お昼過ぎの時点で在庫が残り三つのところを滑り込みで買った。わたしたちが選んだあとすぐに別な方もキャベツを持っていかれたので、もう在庫はあとひとつ。みんないまキャベツを求めている。
ここのところすっかりご馳走になっているので今日わたしがスーパーのお支払いをする。目を覚ますためにアイスクリームも買って駐車場で食べる。お母さんは時々車の中で友だちやお兄ちゃんとお茶するらしい。これがカーカフェだよと言っていた。

アイスクリームで元気いっぱい、すこし遠回りしてドライブしながら帰ってみる。以前通ったときにものすごい濃霧に見舞われた道を通って帰る。今日は天気も良くて気持ちがいい。窓を全開にして風を取り込みながらのどかな田園風景を眺めた。麦の穂が黄色くふさふさで美しかった。
途中アナグマらしき動物に出会う。こちらに気づいてもそんなにすぐに逃げないで、目があってすこし会話した。うんうんと頷いているような姿でこちらを見ていてすごく可愛かった。

帰ってきてわたしは起きていられないくらいの睡魔におそわれる。限界だ。仏壇のある部屋で横になる。わたしが眠っている間もお母さんはごそごそと動き回っていたようだった。

16時ごろ起き上がって洗濯物を畳んだり洗濯したりしていく。お母さんはついに昨日の疲れが出てきた様子でわたしが洗濯物を畳む横で眠ってしまった。あとでお父さんに聞いたのだけど、お父さんは疲れは全然でなかったらしい。心配している弟や他のきょうだいにも久しぶりに会えて、顔をみながら話ができてむしろホッとしたらしい。デイケアのほうがむしろ緊張するわ、と言っていた。

夕飯の準備の前にキャベツを丸ごとザワークラウトにしていく。なんと贅沢なのだろう。千切りキャベツ大好きの弟も多分これ好きだなと思っていると、仕事の帰りにお米をもらいに弟がやってきた。半分持って帰るかと聞いたらひと言、いらない。弟は昔からほんと無駄なことは言わないし、シンプルな構造でできている。
チェンソーを借りたいという弟とお父さんが外で作業を始めたのでみんなで外に集まってみる。役に立たないけれどお母さんとわたしも参加気分で二人の周りを囲む。帰り際に弟の赤ちゃんの最近の様子を動画で見せてくれてほっこりした。

弟が帰ったあとも赤ちゃんの話で三人で盛り上がる。夕飯の準備もなんだか楽しい。盛り上がって今日はお味噌汁にとろけるチーズを入れてみた。お母さんが鮭を焼いてくれて、冷やっことにんじんラペで夕飯。野球を観ながら食べる。

今日も一日が終わる。今日は変なことを思い出してしまったりしたけれど、むかしの日記帳や手紙に、何かわたしの素直さの根源が隠れているような気がした。もう少し探ってみようと思う。

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