日記 2024.9.5(木) 手を動かし、創造していく。
おはよう。もうなんだか肌寒いぞ。寝ぼけながら窓を閉め、お風呂の換気扇を止める。毛布出そうかな。
今日もお腹が空いている。お腹が空いて起きる朝は心地よい。今朝はかぼちゃのポタージュの残りを食べる。昨日の夕飯に食べようとしたけれど忘れていた。フライパンにポタージュを入れて温める。豆乳を少し入れて伸ばした。ぽってりとしたポタージュ、朝からご馳走うれしいな。
毛布と掛け布団を日向に干す。今日もたっぷりの陽射しがあるから布団も香ばしくなるだろうな。
すっかり秋の雰囲気になってきたので手作り味噌たちを出して確認してみる。今年初めて自分の手で味噌を仕込んだ。黒豆味噌、麹ニ倍味噌、青大豆の味噌。塩を少なくし過ぎてしまったり、水を入れ過ぎてべちゃべちゃにしてしまったり、大豆の茹で時間が短くて潰すのに苦労したりと色々あった初めての味噌作りだった。蓋を開けるとぷーんと味噌のいい香りがわたしの心配をはねのける。大丈夫、任せてよ、心強い声が聞こえる。
味噌や梅干しは新聞紙に包んでうちの中で一番静かで気温が安定しているコンロ下の収納へ保管している。夏の暑さも無事に乗り越えた味噌たちは色が濃く、いつのまにか味噌らしくなってきていた。はっきりと目に見える変化に嬉しくなった。あと少し、もう少しなんだね。
ついでにコンロと流しの下の収納を整理した。梅干したちも静かに熟成してくれている。17%の塩で仕込んだ梅干しをひとつ取り出して口に含んでみた。皮がしっかりと硬い。これから柔らかくなっていくのだろうか。まだ何にも分からない。
調味料も整理していく。ちょっとだけ残っていたホワイトビネガーを掃除用に回したらスペースができた。黒酢も使い切ったので、いまはお酢は梅酢だけとなった。また黒酢を買うか、このまま梅酢だけで過ごしてみるか、考える。ごま油、ココナッツオイルももうなくなりそう。一番搾りのごま油はやっぱり香りが欲しい時に使いたいのでまた買ってこよう。ココナッツオイルは冬場は固まってしまうので固まらない太白ごま油あたりに変えるか、ほかのオイルにするか、迷うところだ。調味料の整理もできて頭の中もすっきりした。
冷蔵庫の掃除がしたくなってきた。気分がのった時にしてあげないと冷蔵庫はそんなに汚れないからいつも後回しになってしまう。ポケットの上から順番に拭いていこう。やっぱり少し汚れている。冷蔵庫の中の在庫も確認しながら、いらないものは捨てていく。竹炭はぼろぼろと割れて粉が落ちるのでコットンの巾着に入れておくことにした。丁寧に拭き上げて冷蔵庫の中、冷凍庫もすっきりした。
今日はなんだか台所をとことんきれいにしたくなってきた。食器洗い用のガラ紡ふきんを煮沸消毒し、コンロの周りのこびりつき汚れをステンレスタワシで取っていく。わたしは油を使った料理を頻繁にしないからそんなに汚れていないけれど、隅っこのほうのこびりつきがきれいに取れてうれしかった。買ったばかりのようにきれいになったコンロを見て、やっと満足できた。台所がきれいになると料理がしたくなってくるな。
さてお昼ご飯にしよう。今日はお味噌汁とご飯、ご飯を蒸す時に一緒にじゃがいもも蒸していく。お味噌汁は干し椎茸のもどし汁を贅沢に出汁に使って刻んだしいたけ、大根と豆腐、わかめ、色が変わり始めていた伏見甘長唐辛子を入れた。玄米味噌が美味しいお味噌汁は飲むとじんわり温まる。ご飯の上には黒豆納豆としわしわになりかけたのを発見されたオクラを混ぜて、黒ごま、ごま塩、大根おろし、紅みょうが、らっきょう、にんじんのぬか漬けを乗せてもりもりにした。蒸したじゃがいもは味噌とハチミツで和えてみたらこれがすっごく美味しかった。この赤いじゃがいもは、実家の畑にわたしが適当に埋めてきたもの。ちゃんと成長し、無事に収穫できたらしくほっとした。最初はなかなか芽が出なくて心配したんだったよな。種類も何にも分からずに穴を掘って種芋全部を感覚もなにも考えずに埋めてきたという具合だったけれど、お盆に帰った時には葉っぱがわしゃわしゃと伸びてきていたし、土の中でしっかりと大きくなってくれたんだな。ありがとう。
たっぷり食べられてしあわせなお昼ごはんだった。野菜が美味しいと本当に嬉しくなる。わたしは心からこういうご飯が大好きだ。元気な野菜はいつもわたしに元気を分けてくれる。
いつも通り台所の床でお昼寝をした。30分くらい眠るとすっきりする。さて、シャキッとするために一度駅前へ行こう。
銀行へ行こうと商店街の中へ。途中に新しくできたお店の開店祝いの花を持って帰る人の姿を見た。もうほとんどカラフルなお花はなくてはげやま状態だったけれど、どうしようかと迷いながら通り過ぎ銀行で記帳をしてまた花の前を通る。やっぱりもらおうとお店の方に声をかけてお花を分けてもらうことにした。わたしの好きなグリーンの葉っぱたちはまだいきいきとした子がたくさん残っていた。南国っぽい涼しげな葉っぱ、葡萄の葉みたいなの、小さな黄色い花のついた菊みたいな子をいくつかもらった。そのままスーパーへ行く。豆腐とピーナッツチョコレート、黒豆せんべいを買って産直市場でお水ときゅうり、甘夏のハチミツを買って家に帰ってきた。久しぶりに家の中に植物がやってきた。さっそくコップに水を入れて飾っていこう。
飲食店で働いていた頃は落ち込みそうになるといつも花を買って店内に飾っていた。毎朝花や葉っぱに話しかけて水をかえたりするのがわたしの楽しみだった。花を見ているだけで目尻が下がる。ほっとする。季節の花に何度も何度も助けてもらった。バランスをみながら花瓶の高さに合わせて生けていく。出窓と台所の流し、部屋の作業台に置こう。家の中にいきいきとした緑色の空気が漂い出すとわたしもすごく元気な気持ちが湧いてくるような気がした。
作業台の葉っぱたちを見ながら消しゴムハンコを掘る。元住人に頼まれた5種類の消しゴムハンコを作っていく。わたしが遊びで作ったひょっとことおかめのハンコは人気者らしく、以前作ったものがボロボロになったのでとまた新たに作り直すことになった。自分の描いた線を掘るのは簡単だ。わたしがどう動くか分かっているからすーっと感覚で掘っていくことができる。小さいサイズなのもあり、あっという間に掘り終わってしまった。
今度は彼の描いた下絵のイラストを掘っていく。人の描いた線を掘るのは本当に難しい。自分ではしない動きをしなくちゃいけないような感じでちょっとぎこちない動きになる。でもそれが新鮮で面白くもある。わたしの中にない動きを体は喜んでいる感じがする。
集中していたらすっかり部屋が暗くなってきたので今日はここまでにしよう。夕飯をちょろりと食べてお風呂に入った。20時前には大体眠る準備が整う。
掘りかけの消しゴムハンコが作業台に広がる。きれいになった台所にグリーンが映えている。座っていつまでも眺めていたくなる。玄関横に生けた葉っぱたちは一番バランスが整ったように感じる。かわいいなぁと椅子に座り眺める。
安心はいつもここにある。手を動かすたびに実感を伴って安心を感じることができている。毎日お金にならないようなことをしているけれど、自分の中から生まれてくるものに何よりも安心を感じ生きている。毎日手を動かして何かを作っていきたい。わたしはわたしの手で自分をしあわせにするのだ。
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