日記　2024.4.13(土) ゆったりとした一日を過ごす。

ひんやりした空気と毛布の中のあたたかさのバランスがいい朝。気持ちがいいなぁ。

そういえば昨日の夜ゴミ出しをしに外に出たら街灯のあかりから少しずれた場所で男女が絡んでいた。ブランクーシの接吻とまったく同じスタイルだったので思わず二度見してしまった。ブランクーシの接吻は抽象的な姿を表現したものだと思っていたけれど、リアルな表現だっだと分かって興味深かった。しかし、お邪魔してすみません。

朝から台所仕事。昨日買ってきた野菜たちをビニール袋から布の袋に入れ替える。みんな気持ちの良いところにいたいよねと言いながら入れ替える。流れでお昼ご飯の準備もしておく。解凍したご飯と一緒にさつまいもを蒸す準備、お味噌汁の準備、ちょっとおかずが欲しいからヒラタケと菜の花を炒めてみようと切っておく。お味噌汁に入れるニラを切ったら台所がニラの香りでいっぱいになって嬉しくなる。一番お気に入りのオーシバルのブルーのパネルボーダーと白のカットソーなどつけおき洗いしておく。床のほこりも拭いておこう。濡らした雑巾で端から拭いていく。つるっときれいになる床、鏡、サッシ、埃をとっていくとすごく気持ちがいい。

気持ちの良い部屋になったところで机に向かって絵を描く。ブランクーシに出会った喜びを描いてみる。近ごろは日本の美術館もずいぶん写真を撮ってもいいことになってきた。17年前くらいに行ったイタリアではすでに普通に美術館の中も建物もほとんど写真を撮ることができてはしゃいだけれど、ようやく日本もそうなってきたのだな。美術館のすっきりとした雰囲気も好きだし、自分の目で見た本物を写真におさめられることがうれしい。

お昼ご飯にする。明日はご飯を炊かなくちゃ。小豆を入れたいな。まいちゃんからはちみつレモンをつくった写真が送られてきた。クローブとカルダモンとシナモンを入れてスパイス風味にしたらしい。なるほど美味しそう。炭酸で割ったら美味しかったと教えてくれた。この間は珍しく悩んでいる姿を見せてくれたまいちゃんだったけれど、いつも通りになったみたいでよかった。旦那さんのスパイスを使ってカレーを作るのが楽しくなってきたらしい。わたしもスパイスを買ってきてカレーを作って報告しあってみたい。

お味噌汁とご飯と、久しぶりのおかずのヒラタケと菜の花の炒め物。ヒラタケはごま油で焼きつけるように焼いてから菜の花を入れてさっと炒めてお塩としょうゆ麹と酒かすチーズで味付けしてみた。想像以上に美味しくできてびっくりしてしまった。思わず声が出る。

ヒラタケと菜の花の炒め物。酒かすチーズがけ。

これはお母さんに報告だ。今度実家に帰った時に作ってあげよう。お昼ご飯を食べたら少し昼寝をする。今週は昼寝をしている時間がなかったな。しっかりよく動いた。動きながら考えて試した一週間だったと思う。満足した。

起き上がり図書館へ行く。ハローワークへ提出する書類を書いてみよう。歩きながらお母さんに電話。すぐに出た。弟から叱られて勝手な行動をしないようにと忠告を受けてからどうなったかなと心配していたら拍子抜けするくらい明るい声。今は山菜の季節で毎日にょきにょき成長する山菜を見逃さないよう採りに行くのが忙しいらしい。ああ、山菜がお母さんを癒して助けてくれているんだな、それなら心強い。わたしも都会の道を歩きながら街路樹の下に生えるたんぽぽやカラスノエンドウ、なずなに毎日癒されている。大通り沿いの野草たちはちょっとさすがに食べる気にはなれないけれど、実家の野草を採取して食べてみたいな。明日は弟家族とお宮参りに一緒に行くらしく楽しみにしている様子のお母さんに安心して電話を切った。

天気が良すぎて風も穏やか。こんな日はテラス席に座りたい。青空の下で書類を広げるとなんだかものすごく気分がいい。背中に暖かさを背負って作業を進める。気持ちのいい空気の中だけれど堅苦しい文章を考えるのはほんとうに苦手なのでなかなかいい言葉が出てこない。それでも言いたいことを盛り込んで書いてみた。これを何度か修正していくうちに良くなるかもしれない。

陽が傾いたのを感じて帰ることにする。こだわりの八百屋さんで小豆を買った。豆乳と木綿豆腐、バナナ、お水も買って帰った。トイレットペーパーも買いたかったけれど荷物が重くって明日に回した。夕飯はお味噌汁の残りによもぎ入り玄米餅、ザワークラウトにはこしょうをかけて食べた。いつものご飯が安心するな。

ちゃんと戻る場所がある。戻ってくる場所はいつでも安心する場所となってきた。ここは安全だよ、と分かっているから思いっきり外に飛び出ていくことも、もうこわくない。ふわふわの毛布とガーゼのシーツに挟まれて、クマたちをぎゅっと抱いて眠ることができたら、それでもうわたしはしあわせなのだ。しあわせでいることのコツのようなものをわたしは見つけたような気がしている。