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日記 2024.5.21(火) おなじ目的に向かって進んでいく。

今日は大阪までお父さんの弟のお見舞いに行く。
5時ごろごそごそとお母さんが起き上がった。早い、早すぎる。わたしはもう少し布団の中でごろごろして6時前に起き上がる。
お父さんも先に起きている。お母さんは洗面台でお化粧中、お父さんは夜のうちに大体出かける準備は整えてあるので朝からフレーベルの星を作っていた。

朝ごはんの前にほかの家事をやっておこう。わたしもお化粧を済ませて昨日の洗い物を片付け、持っていくお茶の準備をしていく。
まだ時間がありそうなので畑に出て野菜に水やりをする。わたしがみてもそんなに変化は感じないのだけれど、お父さんが畑を見て回ると、なすびの葉っぱがおっきくなったね、きゅうりもしゃんとしたねと成長が分かるようだ。

今回の旅。頚椎をいためて入院してから長時間の運転が大変になってきたお父さんに、電車移動を覚えてもらう目的もある。車が大好きで、旅行などはこれまで頑なに車での移動じゃないと行かないと言ってきた父。お母さんとわたしとで、電車移動も試してみては?と時間をかけて提案してきたのだった。本人が納得できるまで3年くらいかかったのだけれど、今回のお見舞いがいいきっかけとなった。わたしもいることだし、車椅子と杖を持って試行錯誤やってみようということになったのだ。

お父さんは新幹線に乗車するのは何年ぶりだろうか。お母さんは2年前のわたしとの奈良旅行で西と東から京都で待ち合わせたことがあるのでひとりで新幹線に乗ることができると確認できているが、お父さんはどうだろう。

いつもより少しだけ早起きなので無理なく出発準備を進められる。わたしも大体の準備は昨日のうちに済ませてあるのでお母さんの履いていく靴もざっと洗って干しておくことができた。
朝ごはんはお味噌汁と寝かせ玄米、昨日の残りのじゃがいもの味噌マヨネーズ和えを食べる。マイペースなお母さんはなぜかこんなときに梅干しを壺から出したりしているけれど間に合うのかな。いつもの時間に朝ごはんを食べて朝ドラも観られて、お父さんの淹れてくれるコーヒーを飲むこともできた。

朝ごはんの片付けも済んで、ガスや給湯器の確認も終え、あとは洗濯物を干したらわたしの準備は完了する。協力し合って準備ができたので忘れものもなく、予定時間5分前には出発することができた。

9時出発だけれど、気持ちは10分前を目指していこうとみんなで声をかけ合う。はやく準備が済んだ人はまだ準備が終わらない人のカバーをしながら共通の目的に向かって動いていく。こういう協力体制を日頃から練習してみたい。お母さんはギリギリのところで生協さんの注文書を書いておくことを思い出してあたふたしたがなんとか間に合った。出発後、みんなで健闘を讃えあう。

車で30分の場所にある新幹線の駅まで行く。お父さんは高速道路に乗るのも久しぶりなのでしっかり確認しながら行く。途中、高速道路から実家の裏手の山が見える場所があって、みんなであそこだ、まだだと言い合って盛り上がる。

駅のエレベーター設備を確認しながらみどりの窓口風の券売機へ。駅員さんが細かく教えてくださったのでスムーズに切符を購入することができた。障がい者手帳を見せると本人と介助者1名は乗車券が割引になるらしい。お父さんは長時間歩くことが大変なだけなので乗り降りはなるべく車椅子を畳んで自分で行う方法をとる。

さて車椅子移動実験をしながら珍道中が始まった。途中でお父さんの一番下の弟と合流し新大阪駅へ。駅の中でお昼ご飯にラーメンを食べた。
新大阪駅に降り立ったのは久しぶりだった。お父さんは四人きょうだいの長男で、長女、次男はずっと兵庫と大阪に住んでいるので昔は毎年遊びに行ったものだ。次男のおじちゃんが入院している病院へとタクシーで向かう。
おばちゃん夫婦も病院で合流。事前に確認したところ面会は一日2名15分までとのこと。お父さんと一番下の弟のおじちゃんが病室へ行くことにして私たちは受付のある病院の一階で待った。

今回のお見舞いは数日前に急きょ決まったのだった。病気と事故で入院生活となっているおじちゃん。胃ろうをするかしないかの判断が迫られている中、一度会いに行ってみようよとわたしが提案したのだった。お父さんはひとりで会いに行くには不安もあるし、最初はお母さんとわたしに行ってきてと言った。たぶん、先にお見舞いに行ったおばちゃんの話を聞いて動揺したのもあって、ひとりで会いに行くのがこわかったのもあるのだと思う。お母さんとわたしも行くからみんなで行こうと声をかけた日の夜寝る前に、やっぱり自分も行くとお見舞いに行くことを決めたのだった。

20分くらいして二人が戻ってきた。様子を聞くと穏やかでお父さんの呼びかけにも目配せで反応してくれたらしい。ちゃんと気持ちは届いていると確信した。病院でしばらくみんなでおしゃべりして解散する。

タクシーに乗って新大阪へ向かう。会って元気を注入できてすこし安心した様子のお父さん。小学校の時の手品師のエピソードを話して聞かせたら分かっている様子だったと言っていた。もうひとりはいいよ、また会いに来てよと、おじちゃんの声が聞こえたような気がした。

帰りの新幹線まで1時間あるので車椅子を借りた方にお土産を買って、みんなでたこ焼きを食べる。12個入りのたこ焼きを3個ずつ分けて食べた。

新幹線での移動に不安を持っていたお父さんも、行き方は分かったからまたいつでも会いに来られると言っていた。会いに行ってみてよかった。やっぱりなんでも試さなければわからないし、動けば必ず道は開けるのだと思った。父のきょうだいがそろって話す機会を持つことができてよかった。普段電話やメッセージでやりとりしていても伝わらないことがある。心配は続くけれど、力を合わせ助け合う。一人に負担させない。心強いメンバーがいるのだ、これからもおなじ目的に向かって進んでいこう。

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