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花筏(はないかだ)

 会社は、某社に特別販売店作戦を仕掛けられ、
戦争の渦中だが、4月に入り、先が見えてきた。
一方、時は春、いたるところで桜が満開だ。
 
 先週の土曜日、朝の清々しさに誘われて、
皇居沿いの千鳥が淵、北の丸公園に花見に出かけた。
例年通り、大勢の老若男女で賑わっているが、
羽目を外す人のいない、落ち着いた日本の花見だ。
時折、大声で喋る中国語が目立つ程度。
 
 草木の新緑を映した水面に満開の桜が垂れ下がり、
お堀を望む斜面は春の草で覆われ、
青、白、黄の花が点在している。


桜の足元に咲く花


千鳥が淵を抜けて北の丸公園の緑道まで歩き、
お堀沿いの小道から眼下を覗くと、
木々の間に、見事な花筏が見える。

お濠の花筏(はないかだ)


 
 此方の岸際、緑の水面に無数の花びらが隙間なく浮き、
陽の光に反射して白く光り、
成程、これが花筏と言うものだと納得する。
暫し見ていると、お堀にうかぶボート一艘が此方に近づき、
花筏に乗り入れ、真中に航跡をつける。
もったいないとは思うが、ボートに乗りたいとも思う。

花筏に乗り入れるボート


 
 いつの間にか1時間ほど歩き、そろそろ花より酒と、
人形町に戻り、寿司と地酒で、心身共に満足して帰宅。
午後はゆったりと昼寝、春眠の土曜日だった。

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