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私の夫で いてくれて・・・・

 日曜の早朝は、NHK俳句とNHK短歌があり、いつもNHK+で見ている。先日の短歌も面白かった。
 
 選者の枡野浩一氏から出されていたテーマは「行ってらっしゃい/行ってきます」。これに応募した作品から入選9首を紹介して、司会、ゲストを交えて何だかんだ言いあう。どの作品も身に覚えがある気がして面白い。
 
 最後に特選3首を選ぶが、その中でも、第一席が次の歌だ。
   ありがとう
   わたしの親で
   いてくれて
   いってらっしゃい
   また会いましょう
        (西宮市 中森菜穂子)
 
 成程とは思うのだが、我親が亡くなった時、改めて感謝する気にはなれず、また会えるとは思いもつかなかった。人が亡くなれば時間も空間も無い、無に帰するだけ、それで終わりなのだ。と監視人殿に言うと、そんなことは分かっているけれど、そう言う事ではないとたしなめられた。
 
 監視人殿は親を色々言いかえることが出来るという。例えば・・・・
   ありがとぅ
   私の夫で
   いてくれて
   いってらっしゃい
   また会いましょう
 
 うむ、そうか、そう言ってくれるのか・・・・脳刹されてしまった。
 
 
 その他、面白い歌があったので列挙しておく。
 
・「いってきます」と、言いつつゆっくり 靴を履く
 俺もいくよと はやくいってよ     (福岡県葉月ままこ)
 
・玄関を、開けて光を 浴びるたび
 主人公だが 夢とかはない       (豊中市高原希美)
 
・おめでとう いってらっしゃい もう二度と
 もどってくるな、来てもいいけど    (横浜市檜澤さくら)

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