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乱気流

 21日に、ロンドンからシンガポールに向かっていたシンガポール航空の旅客機が、激しい乱気流に巻き込まれて乗客1人が死亡し、多数のけが人が出た。過去、日本で調査対象の航空機事故67件のうち、半数以上の37件が乱気流に遭遇したものだったとのことで、そうそう珍しいことではないようだ。
 
 そう言えば20数年前、出張で海外に行った時、乗っている飛行機が安定飛行中に突然10メートル程、ガックンと沈んだことがあった。幸いシートベルを締めていたので何事も無かったし、他の乗客も乗務員も同様に何事も無かった。詳しくは覚えていないが、事前に乱気流の警告があり、乗務員も含めて全員着席してシートベルトを締めていたような気がする。どこを飛んでいたか、どの航空会社だったかは、覚えていない。
 
 更に、ずっと昔、私が小学5年生の時、父が南米に出張した時のことを覚えている。何しろ70年前のことだから、海外出張すること自体が珍しく、当家は一家で羽田に見送りに行った。父の会社からも大勢来ていた。最後に空港のデッキから父が乗った飛行機を見ていると、プロペラが回転し始めてそろそろと、動き始めた瞬間、エンジン付近から火が出て、大きく広がり片翼を覆い始めた。直ちに消防車が駆けつけて、水(?)をかけると火は直ぐに消えた。隣で見ていた母が慌てふためき、何事かを叫んだが、火が消えると飛行機は何事も無かったか如く、そのまま出発路に向かい、飛んで行ってしまった。
 
 父は一月ほどの南米出張から帰宅し、出張中の話をいろいろ聞かせてくれた。殆ど忘れたが、一つだけ覚えているのは、南米のある航空機に乗っている時、プロペラが止まったことがあったとのこと。窓際の席からプロペラが一つ、全く止まったのを見て、これまでかと、一瞬覚悟を決めたとか。その後どうなったのかは聞いたかもしれないが、だとしても覚えていない。兎も角無事に帰って来たのは間違いない。
 
 出火事件(?)にせよ、プロペラ停止事件にせよ、今ならニュースになるのかもしれないが、当時はよくある事・・・・だったのかもしれない。

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