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役員人事

 2013年3月の日記です。
 
 上場企業の多くは、新年度の始まる前の3月に
主要な人事を内定して、6月の株主総会に正式決定する。
役員の選任、退任に関しては、トップの専権事項であり、
季節を問わず1年中考えている。
 
 当社は、取締役の任期が2年、監査役は4年、
任期満了で再任するかどうか、誰を役員に登用するか、
場合によっては、任期途中で辞任してもらうか、
バリエーションは色々ある。
年齢と役割分担、ポストの有無、経験と能力、向き不向き等、
一人で考えるから自分でも独断と偏見だとは思うが、
誰かに相談するわけにも行かない。
 
 役員と言っても、将棋の駒である事に変りは無いが、
生身の人間でもあり、比較的若い人に降りてもらう、
つまり職を解く事を告げるのは、あまりいい気分ではない。
本当の理由を言えば相手も気を悪くするだろうから、
たいていは淡々と告げることになる。
 
 先日、某役員に任期を1年残して辞任してもらうと内示した。
口では冷静に、分かりましたと言うが、
顔を見れば、ぐっと感情を押し殺しているのがよく分かる。
今まで良くやってくれた、株主総会の6月まで引き続き
しっかりやっていただきたいと言うが、
言っている本人(私)が白々しい気がする。
相手も、わかっているようで、
言葉少なに、分かりました、で内示は終了。
 
 今朝、臨時の取締役会を行い、役員人事を内定した。
組織の簡素化をすすめており、
新任より退任のほうが多いから不満だろうが、止むを得ない。
役員から身を切らねばならないのである。
天気の好い日にこそ、嵐の来る事を考えねばならない。
(マキャベリ)
本日午後3時に東証に開示し、一件落着。

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