恐竜よりも強かった

　毎週日曜の早朝にNHK短歌が放送されている。先日の短歌は司会がヒコロジー、選者は歌人の川野里子さん。お題「氷」で全国から応募された入選作を紹介する。相変わらず、当意即妙、成程と思う作品が多い。
 
　第一席に選ばれた短歌は、
 
　　　僕たちは　恐竜よりも　強かった
　　　就職氷河期　越えて生きてる
　　　　　　　　（竹内一二）
 
　約6500万年前、地球上は恐竜が全盛だったが、突然の氷河期で恐竜などの大型動植物は全滅した、というのが定説だ。付け加えると、地球に直径10キロの巨大隕石が激突して噴煙が巻き上がり、太陽の光が到達しなくなったので氷河期になったとの説が有力だ。
 
　ついでだが・・・・その後も地球には巨大隕石が何回も落下し、その都度氷河期を迎え、生物の危機があった。最近（？）では1万3000年前、1000年続いた氷河期も、隕石落下説が有力だ。
 
　20数年前、我が息子達が就職するころは就職氷河期だった。特に長男の時は些か心配し、私も協力してなんとか無事に決まった。次男の時は、就職しようとしている会社につてがあったので話しを通したが、結果から見ればあまり関係なかったようだ。
 
　2人とも、その後真面目にそのまま勤め、サラリーマンの常であっちこっちに転勤したが、今は東京本社に勤務している。どうやら恐竜よりはしぶといらしい。
 
　他に印象に残った作品を紹介すると・・・・
 
　　　朝2時に　起きたら　製氷機のガコン
　　　やましいことでも　あったんやろか
　　　　　　　　（岡野龍太郎）
 
　　　十社から　お祈りされて　わたくしの
　　　感情すべてが　氷山になる
　　　　　　　　（つきひざ）