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サックスのライブ

 2013年9月の日記です。 

 先日の土曜日の昼、
苫米地氏のサックスライブを聞きに、上野公園に行った。

 不忍池の水面は一面のハスの葉で覆われ、
池沿いに続くタイル敷きの遊歩道を、老若男女が行きかう。
道の両側は桜や欅の緑が色濃く、枝の合間から秋の日差しがこぼれ、
歩道のタイルをまだらに照らし、柔らかな風が頬に心地よい。
 
 一角に、2階建て洋館の下町風俗資料館があり、
その前庭、遊歩道の脇で苫米地(とまべち)義久氏がサックスを吹く。
道を挟んだ真向かいの石のベンチに座る。
何と言っても路上ライブだから、勿論無料だ。
周りには熱心に聴いている人が10人ほど、
写真や動画を撮っている、追っかけと思しき人もいる。
行き交う人達は音に誘われて暫し立ち止まる。
 
 オリジナル曲や世に知られた名曲が次々と吹かれ、
乾いた秋の空に、サックスの音が哀愁を帯びて響く。
彼は我々より2年上、病気で手術をしており、
体力はあまりないはずだが、サックスは別らしい。
横に座る女性のリクエストで、「My Funny Valentine」を吹くと、
我監視人殿は涙を流す。
歳をとると涙もろくなる典型らしいが、気持は分る。
1時間ほどでライブは終了。
 
 久々だったので、新たに出たCDを購入し、少し話をする。
我住まいは一時大宮だったが、人形町に戻ったと言うと、
11月3日に三軒茶屋の某所でライブをする、
水天宮前から直通だから直ぐだとか・・・
 
 その後、築地に行き、いつもの鰻・コーヒーのコース、
耳と口を贅沢に楽しんだ土曜の昼だった。

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