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ブランショ、ゴダール、大江健三郎、etc.【文学ラジオ #0 情報まとめ】

こんにちは。人間のニンゲンです。

「ワンとニンゲンの文学ラジオ」第0回で出てきた文学用語のwikiや関連書籍をここにまとめます。
いかんせん本編は解説をほぼしないスタイルなので、聴いていて「?」ってなった人名・書籍名・専門用語等はこの記事を参照してみてください。

ではいきましょう。


■モーリス・ブランショ Maurice Blanchot (1907-2003)

フランスの作家、文芸批評家、哲学者。
小説「謎の男トマ」や評論「文学空間」が有名。
デリダやフーコーといった戦後フランス思想の大家にも大きな影響を与えています。

僕は小説なら「アミナダブ」、評論は「カフカからカフカへ」が好きです。
悪夢に迷い込む感じのカフカの文体を「彷徨」と表現するのはバチーンときましたね。「彷徨」をわかりやすく実践して書いているのが「アミナダブ」です。

この人の評論は劇薬で、読むと文学観がまるっきり変わってしまう可能性があります。さび入り寿司を覚えたらさび抜きが物足りなくなるのと同じで、変わったら基本的に元に戻れません。
あぶないですね。あぶないのが好きな人はぜひ読んでみてください。

ブランショの邦訳本の多くは書肆心水という出版社から出ているのですが、装丁がめちゃめちゃかっこいい。

ブランショについては、いつかラジオか note 記事で単独で取り上げようと思います。

■保坂和志 ほさか かずし (1956-)

日本の小説家。

この方もカフカにすごく影響を受けています。まあ現代の作家でカフカの影響下にない人はいないかもしれませんが、その中でも保坂さんは意識的にカフカを分析しています。

正直なところ僕は小説はピンと来てないんですが、評論は興味深く読みました。というか、この人は評論こそが小説だと思ってます。

■ジャン=リュック・ゴダール Jean-Luc Godard (1930-2022)

フランスの映画監督。
「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」なんかが有名です。
ヌーベル・バーグという20世紀映画界の運動の主要人物で、映画史を1ミクロンでも齧った人は必ず知っています。

僕はゴダールもヌーベル・バーグもあまり詳しくないので、ここで半端なコメントをするのはやめときますが、「勝手にしやがれ」の「ザルッチだ!」で腹を抱えて笑いました。

■ 大江健三郎 おおえ けんざぶろう (1935-2023)

惜しくも2023年のひな祭りに亡くなりました。
川端康成に続いて2番目の日本人ノーベル文学賞受賞者です。

個人的に2022年からの三宅一生・大江健三郎・坂本龍一の3名の訃報は、日本の現代文化の生きた極限が連続で失われたようで、ショックとはまた違う、時代の区切りのようなものを感じています。

小説は、凄まじく有機的なにおいがします。

ラジオで取り上げる候補筆頭なんですが、冗談抜きで1冊で全50回くらいのボリュームになりかねないのでやり方を検討します。

■ アリス・マンロー Alice Ann Munro (1931-)

カナダの作家。
2009年にブッカー賞、2013年にノーベル文学賞を取っています。

邦訳は新潮クレスト・ブックスから多数出ています。

ワンさんイチオシの短編作家なので、今後取り上げたいですね。

■ J.D.サリンジャー Jerome David Salinger (1919-2010)

アメリカの小説家。
「ライ麦畑でつかまえて 」「ナイン・ストーリーズ」が有名ですね。

短編のカタルシスが尋常じゃないとか実はあんまり邦訳出回ってなかったとか書きたいことは色々あるんですが全部置いといて、三島由紀夫に顔めっちゃ似てません? これ思ってるの僕だけ?

■ 川端康成 かわばた やすなり (1899-1972)

ご存知川端康成です。
「みづうみ」やばいらしいです。<魔界>が主題とか惹かれますよね。読んどきます。

■ 夏目漱石 なつめ そうせき (1867-1916)

ご存知 Handsome Jap, 夏目漱石。
「明暗」とか普通に面白く読んだんですが、個人的にピンと来ていないというのは本当です。理解できないとかつまらないとかいうのではなくて、胸に迫るようなイメージや感覚や情念観念を見いだせていないという感じ。

どこかでしっかり夏目漱石に向き合うべきだとは思ってるので、取り上げたいですね。
「向き合うシリーズ」やってもいいかもしれない。古今和歌集とかね。


今回はここまでです。こうしてみると導入回だからか少々情報多めですね。取りこぼしあったらすみません。

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それでは。

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