そこそこ終わっている人間と思い込み 3

思い込みが強いことにより、私には苦手なことがあります。探し物です。
探し物の敵は、探す場所を限定してしまうことだと、私は思っています。つまり、
「こんなところに置くわけない」
とか、
「そんなところにあるわけない」
とかいう、思い込みが敵の正体、というわけです。探し物というシーンにおいて、思い込みの強い私は邪魔にしかなりません。
だから、物を失くすと大体、私はパニックになります。なにしろ、自分では見つけられません。本来であれば探すという行為にかけるべき力も、失くしたという絶望に注いでしまいます。そして大体姉に電話をかけ、落ち込み、誰かに見つけてもらうまでそわそわし続けるのです。なんと無駄な時間でしょうか。


それがわかっているので、私はなるべく物を失くさないように細心の注意を払って生きています。
それでも、絶対はありません。ときには失くしものをし、姉に電話もします。
「大丈夫やって。あるって。どうせアンタまた何日か後にびっくりした声で電話かけてきて“あったわ…”って言うんやって」
自分の失くしものにも、妹の失くしものにも慣れている姉はそう言います。しかし、思い込みの強い私には響きません。ついに私は、
「ミニマリストの気持ちがわかった…こんなに不安になるくらいなら全部捨ててしまいたい…」
と口走りました。すると姉は、
「サウザーかよ!」
と言い、歯茎が乾く勢いで大笑いしました。


そうか、思い込みが強いとサウザーになるのか…。私はこのとき、改めて、思い込みが強くていいことなんてなにもないということを実感したのでした。
この癖、是非改善していきたいものです。2度とサウザーにならずに済むことを願って、本日はこの辺で終了とさせていただきます。

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