大学時代にアンパンマンに関する論文が優秀論文に選ばれた経験があるので、その経験を活かしてちまたでよく聞くアンパンマンの疑問に手短に答えたいと思います。
ちなみに論文はここで読めます。原稿用紙90枚ちょっとありますが、暇な方はどうぞ。
タイトルでガチ勢と書いている通り、当時は国立国会図書館で資料を収集するほど没頭していたのですが、現在はアンパンマン界隈から退いているので厳密には「元ガチ勢」です。
私が退いている間にやなせたかしの新たな証言が発掘されて解釈や考察が変わってたりする可能性もないとはいえませんが、その辺りはご了承お願いします。
それではさっそくありがちな疑問に答えていきます。
疑問:アンパンチは暴力か?
回答:はい、暴力です。
よく「アンパンマンって正義面しているけど結局暴力で解決しているよね」といわれるので、そこに突っこんでいきます。
まず、結論からいうとアンパンチは暴力です。
前提条件として、やなせたかしは「正義は曖昧なもの」と考えており、また曖昧な正義同士の暴力自体を否定はしていません。
正義は曖昧なものなので、お互いの正義が食い違って争い(暴力)が起こることを仕方のないことだとやなせたかしは語っています。
ただし、
と書いており、やりすぎはよくないとも考えているようです。
そのため、アンパンチ自体に殺傷能力はありません。むしろ、
とあるように、殺傷するための攻撃というよりは、アンパンマンにとっての「正義」を実行するために、その場から退場させるための手段として使っているようです。
ちなみに初期の絵本ではその辺りの設定が少しぶれているのか、ばいきんまんが洗浄されて白くなったり小さくなったりとオーバーキルされてしまったりすることもあります。
また、アニメに関しては
とあるように、子どもに分かりやすくする都合上、「アンパンマンがばいきんまんをなぐってやっつける」という構図が強調され、必要以上の暴力行為のように見えてしまっている部分もあるかもしれませんね。
アンパンチが暴力か否かの考察は以上になります。