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ご当地の「甘味」からおやつのヒントを得よう

地方には、全国区にはなっていない様々な「甘味」がある。

そういった「甘味」を見ていって、日頃のおやつに取り入れられそうなアイデアがないかを探そうというのがこの記事の目的だ。

地方で比較的よく見る例として、ソフトクリームに醤油や味噌を入れるというものがある。

当然地元の方が普段からソフトクリームに醤油や味噌を入れているというわけではない。醸造で栄えた場所で、名物をアピールするために作られる商品だ。ちなみに上の写真は、愛知県・岡崎で買ったソフトクリームである。

ソフトクリーム+醤油や味噌という組み合わせは一見ネタっぽいが、塩が入ったスイーツが人気なように、塩気とスイーツの相性はいい。

八丁味噌パウダー(フリーズドライにして粉末化した八丁味噌)を自宅に持ち帰ってアイスにかけてみたのだが、ただ甘いだけのアイスに、塩気と醸造された調味料特有の旨味が加わり複雑な味わいになるのだ。

化学反応的においしくなっているわけではなく、「普通にアリ」くらいの変化のため、「じゃあ次から毎回アイスに味噌をかけるんだな?」といわれると面倒なのでやらないと思うが、たまに味変させるためのアイデアとしては非常に優れていると思う。

これを普段のおやつに生かすには、パウダー状の味噌を手に入れないといけない(さすがに普通の味噌や醤油をアイスにぶっかけるのはどうかと思うので)ため少し面倒だが、もし手に入ったら試してみてほしい。

他に可能性を感じたものとしては、琴平で食べた釜玉ソフトがある。

香川名物のうどんをソフトクリームで再現した、典型的な観光客向け商品だが、醤油風味とネギと生姜の香りが邪魔にはなっていない(ただ、こちらも化学反応的なおいしさアップにはつながっていない)。

生姜自体は、生姜湯などがあることからも分かるように甘味との相性は悪くない。ネギは甘味と組み合わさることが少ないが、その清涼感のある香りから、生姜と同じ役割、またはハーブ的な役割を担えるのではないか。

生姜やネギがスイーツで活躍できる可能性を、釜玉ソフトは提示している。

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「モーニング」という文化があるように、愛知県民は喫茶店を好む傾向がある。また、小倉トーストを始め、餡子(あんこ)を好きこのんで食べる傾向が強い。

名古屋市にある加藤珈琲店には、餡子と白玉にコーヒーがかけられたコーヒーぜんざいというものがある。

しゃちほこに見立てた金粉が乗せられるなど観光客を意識している雰囲気も感じられるが、喫茶店と餡子を好む愛知県らしい一品である。

コーヒーにはよく砂糖が入れられるが、甘味を砂糖で足さなければいけないというルールはない。味はまあ想像通りというか、コーヒーと餡子がケンカせずに仲よくまとまっている。

愛知発祥のコメダ珈琲でもコーヒーに餡子を入れた商品があるように、コーヒーと餡子は意外と相性がいいのだ。

ちなみに、他の甘味もコーヒーと組み合わせられるのでは、と調べてみたところ、ジャムをコーヒーに入れるという文化があることを知った。

コーヒーに何か砂糖以外の甘味を入れるとちょっとしたごちそうになるということを、コーヒーぜんざいは示している。

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家の前に何か干されている。

これは小麦粉を練って細くちぎった麺で、主に大分県で食べられるものだ。

これをうどんのように調理すると有名なだんご汁になるが、きな粉と黒蜜をまぶすとやせうまという食べ物になる。

これも味は想像通りだ。小麦粉を練ったものにきな粉と黒蜜がかけられているという極めてシンプルなお菓子である。

うどんっぽい見た目のため少し違和感はあるが、よく考えたらおはぎだって米だ。パンも甘味と相性がいいし、基本的に炭水化物系は本体の味がうすいため、甘味と親和性が高いのかもしれない。ここからも新しいスイーツのアイデアが出てきそうだ。

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いかがだっただろうか。

・甘味に醸造したものを加えると塩気と旨味で複雑な味わいのスイーツになる。さらに、香りの強い「緑」を加えると清涼感を表現できる。
・コーヒーと甘いものを組み合わせるとスイーツになる。
・炭水化物と甘味は親和性が高い。

この法則を、ご当地の甘味から導き出すことができた。

ぜひあなたも、自分の力で新しいスイーツを生みだしてみてはいかがだろうか。

私はコンビニで安いスイーツを買ってくるので、この辺りで失礼します。

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