礼文島で拾った石を磨く
日本最北端の有人島、礼文島に行った。
礼文島のメノウ浜。その名の通り、昔はメノウがよく落ちていたらしい。だが、今は数が減ってしまい見つけにくくなっているという。
メノウを探している人がちらほらいたので、私も探してみることにする。
あいにく私は石にくわしくないが、それっぽい石をいくつか拾った。
マーブル模様をしているが、これはメノウだろうか。透明感がないしざらついているし、マーブル模様をした普通の石にも見える。
メノウかどうかは分からないが、取りあえず磨いてみよう。
紙やすりをたくさん買ってきた。メノウは硬度が高めなので苦労が予想される。
240番で磨く。水をつけて磨く。
目立つ凸凹が消えた。
400番で磨く。30分ほどかけて磨く。
少しつやが出てきたが、これだけやれば普通の石でもつやは出るだろう。まだメノウなのか分からない。
800番で磨く。指先が痛くなっても磨く。
少し透明感が出てきたように見えるが、光を通すほどではない。
1200番でも磨く。つやつやと光を反射する石。だけどまだ普通の石の域を出ていない。
これ以上細かい紙やすりを買ってこなかったので、仕上げでクリームクレンザーで磨いてみた。きりがないのでこれくらいにしておこう。
結局メノウなのかメノウじゃないのかは最後まで分からなかったが、それはもうどうでも良くなった。
子どものころ、きれいな石を拾って持ち帰ったりしたことがあったと思う。
あの時は、その石が貴重なのかどうかなんて気にせず、ただ見た目がきれいだから持ち帰っていたはずだ。
いつの間にか、見た目ではなく、それがメノウなのかメノウではないのかなんてことで価値を判断するつまらない大人になってしまった。
旅行中に礼文島できれいな石を拾った。磨いてみたら光りだして美しかった。
それで十分じゃないか、と磨き終えた私は思ったのである。
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