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SNSで話題の「モネの池」の真の実力は永遠に分からないのではないかという話

SNSで話題になっていたモネの池(名もなき池)に行ってきた。

ざっくり説明すると、岐阜県関市の根道神社の境内にある池だ。元は高賀山の伏流水が自然にたまっている池だったが、灌漑用に整備されたり、地元住民が飼いきれない鯉を放したり、池のほぼ目の前で花苗を生産しているフラワーパーク板取が睡蓮を植えたり、発見した人がSNSで「まるでモネの池みたい」といったことが広まったりして有名になった。

作られた観光スポットではなく、様々な偶然が重なって自然に誕生した場所なのだ。

偶然によって近年突然出現した観光スポットを訪れた感想や思ったことを、今回は書いていきたいと思う。

初見の素直な感想としては「あー、分かる、きれいだね」といった感じだ。伏流水が湧き続けていて透明度が高い上に鮮やかな鯉が泳いでいて睡蓮もあるので、そこらの公園の池よりははるかにきれいである。

ただ、SNS上で彩度マシマシの画像としてアップされたり、インスタグラマーがポエミーで過剰な表現をするのを見たあとだと、拍子抜けしてしまうと思う。

ちなみに「モネの池」で検索すると、予測変換に「がっかり」「汚い」が出てくる。

SNSで出回っている画像や文章や、「モネの池」と聞いて絵画そのもののイメージを抱いて見てしまった場合、その期待値を乗り越えられるほどの実力はない気がする。

山中にある小さな貯水池として見ると規格外にきれいではあるので、一度前情報や先入観を消してまっさらな状態で見るのがいいだろう。

以上が私の感想だが、正直にいうとあなたが私の感想を鵜呑みにするのも危険だと思っている。

このモネの池が真価を発揮するのは、睡蓮が咲いていて太陽の光により青く輝きやすい初夏だという。

私が見たのは春の池なので、まだ本調子ではないかもしれない。

さらに書くと、この池の青さは日光によるものなので、同じ季節だとしても時間帯や天候で見え方は変わる。

ネット上には彩度をいじられ加工された画像やポエミーで過剰表現な文章、逆に「汚い」「がっかり」といった両極端な感想が並び、実際に見に行っても季節や天候や時間帯で見え方が異なってしまう。

きれいさが刻々と変化するので、同じ池を見るには同じ時間にモネの池に行くしかない。

ネットで両極端な意見が加熱している上に、毎日多くの人が実際に見に行っているのに人によって評価が分かれて定まらないという奇妙で怪奇なスポットだと感じて、実際のきれいさうんぬんよりもそこが面白く思えた。

おのおのが違うものを見て評価しているので、この池の真の実力が定まることは当分ないのではないか。

あなたも一度このモネの池を訪ねて、あなたなりのこの池の実力を決めていてはいかがだろうか。

……最後に、この記事の画像も加工しているので鵜呑みにしないでほしい。

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