見出し画像

「人との距離の取り方」について

人は人の中で生きている。日々の生活の中で人との交流は避けて通れない。多くの場合は、人との繋がりや関わりの中で喜びや楽しさを感じたり生きがいを見つけたりする。時には不本意なことが起こることもあるが、それを乗り越えることによって絆が深まることもある。

一方、人との交流が苦手な人もいる。例えば、繊細で傷つきやすい人にとっては人との触れ合いがストレスとなることがある。知らない人とのやりとりは平気であるが、知っている人との交流は可能な限り避けたいと考えている人もいる。普段はそうでもないが時には人との交流を避けたくなることもある。人との距離の取り方がわからないと言う人もいる。分かっているが面倒くさいと思うこともある。

新型コロナの影響で、物理的に人との距離を開けることがスタンダードになってきた。感染を避けるために医学的に示された距離は1.8〜2メートル。はっきりしていてわかりやすい。

難しいのは、人間関係としての人との距離である。この場合の距離感は物理的な長さでは測れず目には見えない。今回は、人間関係の距離について考えてみたい。

画像1


思春期を迎える10代から20代以降、人は人との距離について悩むことがある。子どもの頃は全然気にならなかったし、知らなかった。だから、普通に人に近づき話しかけ仲良くなれた気がする。それが、いつ頃からか近づき過ぎて気まずくなったり拒絶されたり、距離を取り過ぎたり…、そんな経験が積み重なっていく。

「それが大人になること」と言われても、その真っ只中にいる時は苦しい。「いやいや大人になっても続くよ」と言う人もいる。

人はどんな時に、人との距離が近くなり過ぎたり、遠くなり過ぎたりするのだろうか。

画像4


人との距離が近くなり過ぎるとき
1.相手のことが好き
2.自分の不安を減らしたい
3.相手を利用しようとする
4.自分のことを優先的に考えてしまう
5.相手を自分の思い通りにしようとする
6.相手を変えようとする

人との距離が遠くなり過ぎるとき
1.人が嫌い、怖い(これまでの経験から)
2.気を使い過ぎて疲れる
3.自分に自信がなく相手に遠慮する
4.相手に興味がない
5.一人で何でもする(できる)

どの場合も、それぞれの性格、これまでの経験、相手との関係性などがあり、気付いたときには人との距離が近くなり過ぎたり遠くなり過ぎたりして、結局、相手と上手く繋がれなかったことを悔やんだりする。相手の言葉や態度で傷ついたり、自分が相手を傷つけたかもしれないと後悔したり、時には自分を責めることもある。微妙な人間関係に苦しくなることもある。人の中で人との距離を上手にとりながら、心地良く過ごすには、どうすればいいのだろうと悩むこともある。自分だけと思っているこれらの感情は、実は誰もが経験する感情なのだ。


画像2


そんな時の考え方のヒントを書き出してみた。
1.自分と全てが一致する人はいない
 趣味でも特技でも考え方でも、何か一つだけでも同じだったら、そのことで繋がればいい。それ以上のことは無理して合わせる必要はない。共通点を探そうとして、個人的なことをいろいろ聞くのはやめておこう。

2.相手を尊重する
 自分の心地よさだけで行動するのではなく、相手の気持ちを想像し、観察する。時や場所や体調によって人の気分は変わるものだから、相手が心地良さそうでなかったら距離を取ることが大切。自分の心地良さだけで動かないようにしよう。

3.笑顔の力を借りる
 笑顔には人の心を開く力がある。いつも笑顔でいる人には声をかけたくなる。時々自分の顔を鏡に写してみよう。笑顔を作る練習をしてみるのもいい。ただ、笑顔でいることができない時は無理をせず、一人で音楽を聞いたり本を読んだりするのもいい。

4.苦しくなったら離れる
 人は無理をしたら苦しくなる。苦しくなったら我慢する必要はない。少しその人との距離を置いてみよう。離れてみると、近くにいた時には見えなかったことが見えてきたり、しんどさの原因がわかることがある。もしお互いの距離が近過ぎたのなら少し距離を置いてみて、心地よい距離感を探ってみよう。

5.自分から声をかけてみる
 自分のことを人見知りだと思っている人は案外多い。あなたがもし人見知りだったら、人と心地よく繋がるためのレッスンのつもりで自分からアクションを起こすようにしよう。挨拶とか、お天気のこととか、その場所から見える景色や物についてとか。同じ言葉をかけても返ってくる反応は人それぞれ違う。そこから少しずつ話を広げてみる。人は慣れていく生き物である。


画像3


若くて世の中の仕組みが分かり始めてきた時期、人との距離の取り方が難しいと感じている人は少なくない。経験を重ねることで少しずつ感覚的に分かってくることもある。失敗を恐れて自分から何もしないのはよくあることだが、成長するチャンスを手放していることは確かである。

失敗してもいいと覚悟してチャレンジする中で学んでいくことは多い。そのうち、人との距離感が分かってくると人間関係も落ち着いてくる。自分の気持ちを一番大切にして、決して無理をせず人との繋がりを持つようにすることが大切である。


最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございます。サポートいただけると励みになりますが、コメントやシェアはもっと励みになります!