「男尊女子」が私を救った話①
私はアメリカ生活累計5年目。
独身時代に自身の仕事で渡米し、この地で出会った駐在仲間の男性と結婚した。
そして元の会社を休職させてもらって「駐妻」として舞い戻ってきた。駐在仲間の友人はまだいるし、新しい友達を作る気はなかったのだが、インスタで声をかけてもらったりして駐妻の友達ができた。
彼女たちは、世の人が描く駐妻像を完全に体現させたような方ばかり。
毎日SNSにテーブルコーディネートを載せ、夫と見つめ合う写真、「手抜きでぱぱっと作った」という完璧なお重のおせちの写真を載せ、夫への尊敬や感謝の念を綴り、誰よりも早く新しいベーカリーに出向いてオシャレ写真を載せ、「こんなお嫁さんがいてご主人は幸せもの❤️」というコメントが押し寄せている。
正直、そういう女性陣を駐在時代は仲間内で馬鹿にしてた。
私たちはビザ取得、家探しから契約、役所手続き、家具の組み立てまで全部1人でやってきた。
こんな過酷な街で現地人に囲まれて対等に働いてる。
彼女達の人間関係は脆そう、、、と。
でも、私はそんな彼女と同じ立場になった途端、仕事という盾がなくなって、家事を完璧にこなさないといけない???という妙な重圧を感じ始めた。
彼女たちは出会って間もない私に、スーパーマーケットの話や人気のテーブルリネンブランドの話ばかりしてくる。
つい昨日までコーヒーテーブルしかなかった私には難易度が高すぎる。スーパーマーケットだって、何がそんなに駐妻を魅了するのか今もわからない。ネットショッピングで買った商品が翌日100円やすくなってたのを見て返品して買い直した、なんて言われた日には、非効率すぎて卒倒しかけた。
そして、誰も私についての質問をせず、夫のことばかり。いや、私は「●●さんの奥さん」と呼ばれたくない。この人たちとは、もしや女性同士の友情は築けないんじゃ?と思うと、とてつもなく虚しく、もはや嫌悪感を覚えてくる始末。
この、彼女たちの「完璧な家庭」をアピールすることにここまで嫌悪感を抱くのは何故なのか。私はもしかして女性性というものに恐怖を感じているのか。色々と考えていたら、酒井順子の本に出会った。
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