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いま働けていない方へ。新しいワークルールを実験する職場のオープニングメンバー募集。

仕事を休んだり、精神的に疲れて辞めてしまったり。怪我をしたり、体調や環境が変わってしまったとき。体が、心が、ついてこなくて「働きたいのに、働けない」ということがある。

僕は、そういう人達に「頑張ろう」とか「出来るようになろう」という支援を辞めた。そうじゃなくて、頑張らなくても働ける仕組みとか、出来なくても働ける仕組みを考えてきた。

でも、考えたり言ってるだけでは世の中は変わらない。だから新しく職場をつくることにした。インド発のスパイスミルクティー「チャイ」の製造工房・カフェを、大阪でつくる。

そこでは、僕がこれまで出会ってきた人達の声をもとに、「働けない事情」が不利にならないようなルールを導入していこうと思っている。皆が当たり前だと思っているルールをひっくり返してみる。そうすれば、これまで働けなかった人が働けるようになる。

今日の記事は、そんな話。
ビビッときた人はぜひ、最後まで読んでほしい。


人に合わせてワークルールを作る

去年取り組んだ「しごとの間借りプロジェクト」は、最低賃金というルールを取っ払った。時給1000円で働くことは、1000円分の労働パフォーマンスを求められる。皆それを当たり前に思っているけど、調子が悪い時には時給1000円分の労働って結構ハードだ。バイトってそんなに楽じゃない。

時給300円ぐらいで働く選択肢を作れないかな、と思ってつくったのが、1人分の仕事を3-4人でシェアする「ワークシェア(※1)」というルールだ。本来ワンオペ運営する店舗を、複数人で運営する。1人分の報酬をシェアする代わりに、業務負担もシェアする働き方だ。

営業中に交代で休憩したり、散歩に出たりしながら、仲間と一緒に店を運営する。「これなら働けそうだと思って」という人からの応募が、とても多かった。


そこで生き生きと働くメンバーを見て、改めて僕は「ルールに人が合わせるのではなく、人に合わせてルールをつくるべきだ」と思った。

ところが、こうした自由な働き方を選択した時にかけられる言葉がある。それは、「それで生きていけんの?」という言葉。

ちがう、ちがう。「生きていけんの?」じゃない。今自分に出来ることがソレだから、やるんだ。

今の等身大の自分で、できることをやる。これが許される社会じゃないといけない。誰かが決めた合格ラインを超えるために僕たちは生きている訳ではない。

ずっとそれだけでは生きていけなくても、そういうステップが必要な人がいる。働き方がもっと自由であるために、働ける、働けないの100か0かではなく、20とか50とか、誰もが「今自分にできる分だけ働く」ことが出来るような選択肢を作っていきたい。




製造工房・カフェのできる場所

その舞台となるのは、大阪市住吉区北加賀屋。かつて造船所として栄えた地域は、今はアートの街として盛り上がりをみせている。その中にある文化住宅をリノベーションして新しくできる施設に、チャイの工房兼カフェができる。

文化住宅を1棟フルリノベーション中


人生をRPGだとすると、そこにはゲームルールがある。クソゲー、無理ゲー、なんて言われているのは、ルール設定がおかしいゲームだ。本人の努力の問題じゃなくて、ルールが悪い。

人によってハードモードになってきたルールをひっくり返してしまう、新しいワークルールの職場をつくる。



今回募集する、新しいワークルールの働き方

どのワークルールも、これまで僕が出会ってきた人が話してくれた「働けない事情」をもとに、「どんな環境ならその事情が不利にならないだろう?」と考えて作ってみたかった働き方だ。大きく分けて、製造工房とカフェの2つで働き方が分かれる。


【チャイ製造工房で働く】

①24時間いつ来ていつ帰ってもいい「シフトフリー」

1つ目は「決まった時間に通えない」という事情が不利にならないルール。
体調が安定していない、家庭の事情で急に予定が入るなど、勤務時間を約束することが負担になってしまう人がいる。そんな人が「シフトに穴を空ける」ことを気にせずに働ける職場をつくる。

納期の管理だけ行うので、納期に間に合うなら24時間いつ来ていつ帰ってもいい。間に合わなさそうな時はカバーしあえる仕組みも作りたいと思っている。夜型の人は夜来てもいいし、体調に波がある人は「今日、行けそうだな」と思ったら来ればいい。これは、製造工房で働くメンバー全員に適用する働き方だ。

また製造メンバーは時給も自分で調整できるような働き方にする。時給1000円なら1時間で100個作る必要があるものを、1時間で30個ぐらいのペースでゆっくり作りたい時もある。逆にすごく頑張って、今日は120個作ることに注力したい。そんな日もある。製造した個数で報酬を受け取る歩合制にすることで、時給300円になったり、時給1200円になったり、自分のペースで働くスピードを調整できるようにする。


【カフェで働く】

カフェの業務は、常勤のカフェスタッフがメインで運営するが、一部の業務を新しいワークルールで運用していく予定だ。

②姿を見せずに接客の仕事をする「アバター(分身キャラ)接客」

2つ目、「見た目」の事情が不利にならないルール。
もともと接客は好きだったけど、摂食障害やアトピー、火傷などで「今の自分の姿を人に見られたくない」という人がいる。そんな人のために自身をアニメーションで映し出す「アバター(分身キャラ)」を使って働くことができるポジション。
カフェで実施するオリジナルチャイづくりのワークショップを担当してもらおうと思っている。家から出ずに、人に自分の姿を見られずに働くことができる。「遠方からでも働きたい」「なかなか家から出れない」という人も、ぜひエントリーしてほしい。


③一人の仕事を複数人でシェアして負担を減らす「ワークシェア」

最後は「未経験」「仕事のキャパ」が不利にならないルール。
先述の「しごとの間借りプロジェクト」のように、本来1人で行う業務を複数人でシェアすることで一人あたりに求められる負荷を分散し、未経験だったとしてもカバーしながら余裕を持って働けるようになる。
カフェの業務は常勤のカフェスタッフがメインで運営する予定だけど、希望者が集まればワークシェアで働く時間帯も作りたい。



チャイの店「Talk with __」について

販売するチャイの話ができていなかった。チャイの店の名前は「Talk with __」という。休息が必要な人に飲んでもらうためのチャイの店だ。

コンセプトは「すこし、休もう。話をしよう。」。自分と向き合ったり、誰かと話したり。そんなきっかけをつくるチャイのギフト。

Talk with __のコンセプト文

今年の2月に、クラウドファンディングで多くの方から支援をいただき、無事に目標金額を達成した。そこでいただいた応援メッセージに励まされながら、店の準備を続けている。



全ての方とお会いします。

全く新しい職場をつくるので、まだ決まっていないこともあるし、走りながら考えていくことも多くある。その現状含めて、このプロジェクトに関心を持ってくれた方すべてとお会いしたいと思っている。もし大阪に来ていただけるなら大阪で、難しければオンラインで。
応募を迷っていて「話だけ聞きたい」でも大歓迎。

今回は大阪でつくる職場だけど、他の地域でもこの「新しいワークルールの職場」を作る準備をしているので、「遠方なので通えないけれど」という方も、ぜひ話を聞かせてほしい。一人ひとりの声から、新しいルールの職場が生まれていくはずなので。

あなたとお会いできることを、楽しみにしています。


募集要項

【募集メンバー】
①チャイ製造(業務委託)
②アバター接客(業務委託 or アルバイト)
③カフェ・ワークシェア(業務委託)
休職中で労働に制限のある方など、ボランティアでの関わりも可能です

【業務内容】
①チャイ製造
・スパイスと茶葉を煮出してつくるシロップ製造
・スパイスと茶葉を袋詰めするギフト製造 など

②アバター接客
・自分だけのチャイを作るワークショップ講師をアバターで担当(マニュアル、研修あり)
・カフェやその他店舗などでの接客業経験歓迎

③カフェ・ワークシェア
・チャイの物販
・カフェメニューの提供など店舗運営に関する業務

【勤務地】
大阪市住之江区北加賀屋2丁目
OsakaMetro四つ橋線「北加賀屋駅」より徒歩4分
※アバター接客の場合は、通信環境の安定した自宅等より勤務

【募集人数】
①2〜4名
②1〜2名
③2〜3名

【給与】
アルバイト:時給1,023円〜
業務委託:それぞれの働き方に合わせて歩合給を設定

【勤務開始時期】
2023年6月中旬〜

【第一期 応募期間】
2023年5月9日(火)〜5月31日(水)23:59

【選考プロセス】
1,Googleフォームからエントリーをお願いします(応募を迷っていて「話だけ聞きたい」でもOKです!)

2.対面かオンラインで全ての方との面談をさせていただきます(対面の場合の住所:大阪市東住吉区南田辺1-1-10)

3.6月上旬までに、全ての方へ結果をご連絡します。残念ながら枠に漏れてしまった方も、他の支援のご案内をさせていただきます。

【エントリーはこちら】
https://forms.gle/m6iwug94b2o34xZx6


備考
(※1)雇用契約では時給300円の契約はできないため、プロジェクトでは中間的就労という枠組みで法令を遵守して実施した。

サポートいただいたお金は、今行っている若者の就労支援などへ充てさせていただきます。