【水深計の振動子移設01】何も考えないで作業したら憂鬱な予感、或いは測深索の怨念
自分で書いておいてアレですが、なんかタイトルの漢字の画数が多め?
ま、護摩札やお経、滋養強壮ドリンクの箱の裏に書いてある成分なんかは漢字の画数が多い程に効果、効能、ご利益がありそうでありがたいからいいか(とステルス揶揄してみる)。
今日はお休みの日ですが、ヨットは出さずに久しぶりの整備・修繕。
なぜなら雨予報だから。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ… の宮沢賢治氏の対局を行く私、予報降水量0.5mmを超える日には空の下に行くなと言う家訓の下で生きていますので、ヨットで出艇なぞもってのほか。
今回は久しぶりに、非航海日誌と題している私のこのブログにふさわしい、これぞ本来のこのブログの内容という感じですな(色々な意味で)。
マリーナに来まして、アレとかコレとか色々やらないといけない事が本当にたくさんあり、さて、どれから手を付けようかな?と考えて…
お前に決めた!(緊急性がないどころか、むしろ暇なときにやろうかな…くらいの物をチョイスしてしまうのはなぜなのか?)
これはキャビンに入ってすぐの、
このナビゲーターズシート(自称)のクッションを外すと出てくるスペースに設置された、水深計のトランスデューサー。
これを取り付けたのは、2019年かぁ…
↑その時の記事。
先日の「危うく座礁事件」の時に思ったのですが、やはり肴はあぶったイカでいいし、振動子はなるべくバウに近い方がいい。
しみじみ飲むのも結構ですが、それよりもセンサーが前方にあればあるほど(浅場を前進中は特に)安心感があります。
そこでバウバースの物入れに水深計の振動子を移設しようかと。
とりあえずクッション下の物入れを開けて、取り付け位置を決めま…
いや、決める前に片付けないとダメだ…。
色々な物品を片付けるスペースの余裕なんか無いので、右側の空きスペースに寄せただけ。
ま、いいか。
ではクッションを…
めくって、底板を外すと…
こ、これは!!
えぇぇ!失くしたと思っていたHand lead line!
Hand lead line… そう、測深索とも呼ばれる水深を測る道具です。
お前… こんなところにいたのか… もう2年以上目にして無かったよ…
水深を測るための振動子を取り付ける場所に、これまた水深を測る道具があるのは何かの啓示か?(ただ整理整頓出来てないだけです)
ちょっとビックリしつつ、測深索との再会を喜びながら、作業を進めます。
まずは振動子を固定し、かつ中にオイルを満たすためのケース。
今のケースはガッツリとパテで固定されてしまっていますので再利用は難しい。
そこで、似たような大きさの塩ビパイプを買いました。
サイズはVP40(外径48mm 内径40mm)の物を100mmだけ(長いと邪魔だからカット売りしてる奴を探した)。
振動子のサイズが
↑38.3mmなので、内径40mmでいけるはず。
このパイプを、
この辺りに付けますが、トランスデューサーをなるべく垂直にしたいので、取り付け候補場所に置いたパイプの角度を測りますと…
ヨット自体が船台の上で微妙に傾いてますので、その差を比較すると、ピッチ軸の差は0.2度と、ほぼ同じ。
ロール軸の差は1.5度。
うーん、これも許容範囲内だろ。
はい!もうここでOKにします!
と言う場所をマジックでマーク。
このパイプを今回は…
このエポキシパテで固定する事に。
素手で扱えるから楽ですな。
Red light! Green light!(←Mission impossibleね)みたいな感じで2つを練って、練って、練って…
パイプに一周巻きたいので… えーっと、VP40の外径は48mmだから…
48mm × π ≒ 150mmか。
150mmくらいに伸ばして、パイプの端っこに巻いて…
底面にくっつけてやります。
しかしこれだだと中に入れる油の流出が心配なので、何かゴム的な物ででガッツリとシールしたいところ。
なぜなら3年前、この作業をいい加減にやった事が原因のリーク事件、通称「ケース門外の変」を経験してるから。
そこで、
登場するのは飲みかけのお茶。
これを無理矢理胃袋に流し込み、空のペットボトルを作り…
ハサミで切り出して、リング状に。
何に使うのかと言うと…
先程のパイプを接着したパテ周りに置いて…
シリコーンのシーラント(私の御用達、信越シリコーン KE45T-100)を入れて…
ヘラで隙間に押し込んで…
最後になるべく綺麗に成形(←ここ大事!)。
これで漏れる事は無いはず。
漏れ無いよね?
何ゆえに漏れるか?
えぇい!漏れるなよ!
などと碧巌録の禅問答的自問自答をしますが、答えは来週以降でしょうな。
硬化するのを待たないとテスト出来ないから。
このエポキシパテの方は12時間が硬化時間とパッケージに書いています。
シリコーン(信越KE45T-100)の方は15時間くらいでほぼ固まって、完全硬化までは4~5日くらい。
明日の今頃には、あなたはどこにいるかはわからないですが、来週の今頃にはアルコールを入れてリークテストが出来るでしょう。
First LoveならぬFirst Leakにならないといいなぁ。
さて、これまでの作業時間、約70分。
イメージしてた時間は2時間くらいだったので、ここで終了と思っていました。
珍しく早く進んだので次の工程もやっつけます。
↓次はこれの加工。
これはVP40の塩ビパイプに付けるエンドキャップ。
これに穴を開けて、トランスデューサーを固定し、先程のパイプに被せます。
純正品で言うところの、
↑ここですわ。
このキャップに穴を…
バーンと開けて(と一言で書いてますが、実際はセンターを出し、下穴を開け、最終的にはテーパーリーマーでエッジを削ったりと、ちゃんとやってますよ)、
振動子(のケーブル)を穴に通して、
ナットを締めて、キャップに振動子を固定。
これを、さっき固定した(まだ固まってないけど)パイプに被せれば完成!
って、あれ??
あーー!
作業前に振動子の長さを測って、塩ビパイプを5〜60mm切ればピッタリだなーって思ってたのに(振動子はなるべく底に近づけるのが全人類の掟、これをしないと全米が泣くと言われている)、切るのをすっかり忘れてた!
もうパイプを100mm長のまま固定しちゃったよ!
とりあえずこのまま行くか、固定してしまったパイプをゆっくりと、力を余り加えないようにして切るか… 来週考えよう…
50~60mm長くても使えるだろ!と思いたい。
もう帰るか…(←テンション下がった)
そして、帰宅してからさらに嫌な感じの事が。
船体の厚みに関してどっかに書いてあったような?と、マニュアルのPDFをパラパラとめくっていると、久しぶりに見たこの図。
ウチのヨットは船底に幾つかに分散して、合計500kgちょっとのバラスト(オモリ)が、建造時にFRP製の|船底に仕込まれています。
その位置についての図ですわ。
これ…
いや、自分のヨットなので床下にバラストが仕込まれてる事も、この仕込まれている図も当然知ってたし勿論見てました。
ただ問題は、それをすっかり忘れてた…
バラストって金属製で結構な厚みがある事は、想像に難くないですわな…
バラストを通り越して振動子は音波を海底に打ち込み、聞き耳をたててちゃんと水深を測ってくれるのか?(望み薄)
何これ、放置していた測深索の怨念?
パイプは切り忘れるわ、それ以前にダメな場所に設置するわ、今日一日の作業はなんだったんだ…
一応今後の方針は、
かな。
水深計の説明書には多分、事前に測れるか試してから付けろと書いてるはずなんですよ、もう3年前の話なので覚えていませんが。
ま、書かれて無くても入れ歯の安定剤とか噛んだガムとかで振動子をくっつけてテストするよねぇ…
兄弟艇であるHABER 800はバウのこの位置に振動子が設置されている事や、すっかりバラストの存在を失念していた事が今回のこのような結果に。
海上係留艇なら当然事前に振動子をあててチェックしましたが、いちいちチェックのために海に浮かべるのが面倒だったので、それを省いたのが今回の敗因。
いや、まだ負けてないから!
海に浮かべたら、
「え?バラスト?なんのことです?」
って、水深計が涼しい顔をし、あっさりと水深を表示してくれる可能性もあるから!
深い場所での水深は100mでも200mでも魚探で見えるからいいんですよ。
ただし魚探の振動子はガンネルよりも後方、今の位置より6m近く後ろです。
こんな後ろに取り付けましたので、航行した結果論の水深しか測れません(バウ方面にあっても結果論は結果論だけど)。
今回設置した場所のままで水深が測りたい…
振動子移設02へ続く↓