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【オレの観光案内】八丈島

ヨットの整備工場入りにかこつけて、週末は八丈島に来ております。
先週同様に、ヨットの無い週末ですわ。
なんだろう?楽しいはずのヨットなのに、むしろヨットが無いともっと楽し… いやいや、そんな事言ってると、またヨット様のご機嫌がお悪くなりますので、そんな事言っちゃダメ!ゼッタイ!

そう言うわけで先週は書く事が無くってヨットで、あるいは普通に公共の交通機関で行って楽しい場所の観光案内と言う苦肉の策で乗り切りましたね。

先週の伊豆大島に続いて、今回はさらに南に位置する八丈島で乗り切ろうと思います。
ちょうど八丈島来てるし。
しかしねぇ、遠いですよね、八丈島。
だって東京、千葉、神奈川にヨットを置いている人の大半は、航行区域って

これは私のヨットのやつ
自艇の航行区域はここで確認しよう

↑最南端が御蔵島になってる、この私と同じやつでしょ?

八丈島はそこからさらに南南東に約45マイル(ウチのヨットで10時間以上かかるわ…)にあります。

行こうと思ったら「沿海」ではなく「近海」じゃないとダメ。
最低、臨時航行検査を受けないといけませんわ。

気持ち的に遠いよね… 実際は御蔵島から八丈島は(だいたいの日なら)見えてるし、黒潮と冬の荒天、夏の台風以外で阻む物は上に挙げたリーガル的航行区域問題だけなので、それ以外は特に何も… 春秋ならミドルクラスのセイルボートでダブルハンド2人乗り以上なら、まぁそんなに難しくは無いですわな。

どちらにせよ、私自身は実際に行く計画は今のところ(は)無いから、観光情報でも書きますか。

◾️係留場所

八丈島にはいくつかの港・漁港がありますが、ヨットで行くなら島の東側にある神湊かみなとと、西側にある八重根漁港のどちらか。
どちらも水とトイレはありますが、来港するヨットは小笠原への経由地として年に数艇程度の物好きヨッティが来るだけなので、受け入れ側漁協も不慣れです。
お金を落とすと言う意味と、 あと(送迎なんかが必須の島事情を考えると)現地での足の調達と言う意味ではゲストハウスなり民宿なりホテルに宿泊し、その宿泊施設経由で事前に漁協にお願いしておく方が無難ですな。
手土産持っていくと、キンメやカツオやオナガ(ハマダイ)になる事もあるとかないとか。
この2つの港については、どちらも強固な堤防で護られていて、波に対しては非常に強いですわ。

奥まった一番左手が八重根漁港
三重の堤防が船を護る

ええ、今回八丈島には別件でドローンを持ち込んでるんで、八重根漁港を撮影して来ましたよ。
空港のすぐ側ですからドローン飛ばしちゃダメなエリアなんで、わざわざ空港の管理事務所に事前に電話して、その後航空局に出向いて許可取って… なんて私って偉いんだ… と思ったら、色々な手違いで神湊港の方は許可が降りて無くて写真撮れませんでしたわ…
神湊港の方はGoogle Mapsでご勘弁下さい。

こちらも「波から護る」と言う強い意志を感じるレイアウト
昔はどんな形だったのか知りたい

普通に写真に撮っても海が見えないレベルで外海と遮断されてますわ。

こんな感じで、この2つの港については外海から非常に奥まったロケーション。
基本的に訪島されるヨットについてはこの二択!

どちらの港も近くに目ぼしい商店は無いので、自転車やレンタカー必須ですよ。
コインランドリーは島内中央内陸部に2ヶ所あり、燃料の配達ありです。
飲食店は、神湊なら歩ける範囲で数軒程。

実は10年くらい前まで1艇のヨットが神湊港をホームポートとして留め置かれ、たまにセイリングを楽しんでいるのを見かけたものです。

楽しそう

それからしばらくするとそのヨットを見る事が無くなり、どうしたんだろう?と思っていましたが、2年前に

ペラがあるからエンジンはありそう

マストを抜かれて船台に置かれたそのヨットを、島内某所で偶然発見しました。
八丈島に縁のある「丹娜たな」という名を冠したこのヨット、このまま海に浮く事は無いのかな…

エンジンとマストさえあれば、私が現地八丈で復活させるのになぁ…と妄想していますが、どなたかご存知の方がいらっしゃれば、オーナー様をご紹介下さい。

おっと、停泊可能な港から脱線してしまいましたな。
話を戻して… 一応、別オプションの話も。

マニアなら島南部にある洞輪沢ぼらわざわ漁港まで行って、そちらに… と言う手も無くはないですが、堤防を超える大波の時もありますし(現在港内静穏度向上工事中)、初見殺しの水深の浅さですのでご注意を。
去年は堤防の内側に停められた釣り人の車が波で流されて海にドボンなんて事故も。
多分ここ10年以上、プレジャー(と言うか実質ヨットだけよね)の来艇は無いと思います。
それでもこの港に惹かれるのは、堤防の横に無料の温泉があるから。
ホントに港の横で、

こんなですもん。
もう、港=温泉じゃん!

◾️島への交通

上の情報は、あまり多くの人に関係する情報ではありませんが、こちらは島に行きたい人全てに関係する情報。
公共の交通機関で島にどうやって行くか。
うむうむ、脱ヨットブログ、進め観光ブログかな?

東京から八丈島へ行くには… いや、八丈島も東京(なので走っている車は品川ナンバーなんですよ)だけど、便宜上そうさせてもらいますわ。
行く方法は3つ。
時間のかかる順に、泳ぐ客船飛行機

激流の黒潮を横切って東京から300km近く泳ぐのはテクニックがいるので、自分で調べて下さい、私にはオープンウォータースイミング屋外遠泳の知識が無いから。

客船で行くには1日1便、竹芝客船ターミナルから東海汽船が「橘丸」(ドック期間等は代船で「さるびあ丸」に)を出しています。
22時とか22時半とかの夜(季節で違います)に出て朝の8時半から9時頃に到着するので、仕事が終わってから船に乗れば、翌朝には八丈島で遊べますよ。

八丈島で乗客を降ろす橘丸

船で帰ると言う選択肢を選ぶ奇特な方は、橘丸が到着してから1時間もしないうちに再び竹芝へ出航しますので乗り遅れないようご注意を。
ただし八丈島から朝に船に乗ったら、御蔵島、三宅島へ立ち寄って竹芝に戻るのは20時前後。
その間に八丈島から羽田への飛行機が頭の上を3回も通り過ぎる事になりますが、それでも構わないと言う方向け。
あとダイバーさんもね。
ダイビング後飛行機ダメ!ゼッタイ!

下船すると同時に再び同じ船に乗り込んで帰る、滞在時間30分程度と言う着発を楽しむ船好き猛者もたまにいますな。
私も株主優待が余ってて、かつ暇で暇でしょうがない時に一回チャレンジした事が。
その時は荒天で三宅島で折り返しになり、結局20時間近く無料で船旅を楽しむだけと言う予想外の結果に。
失望と嘆息と船酔いと疲労で無表情になった乗客の中で唯一、「無料で船旅楽しかったなー、晩、朝、昼、夕と4回もレストラン行っちゃったわ」とホクホクしながら下船しました。

飛行機の場合は1日3往復、羽田空港からANAが飛んでいます。
飛行時間50分前後、離陸したらあっという間に島ですわ。

乗機時も降機時もバスだった時の落胆

羽田空港ではボーディングブリッジでは無くてバスの事が多いので、空港へはお早めに…

さて、では観光の方に進みますか。

◾️温泉
火山の島なのでね、温泉がありますよ。
有料の温泉は島ウチで分散するように、ふれあいの湯やすらぎの湯みはらしの湯の3つが。
どこも似た感じではありますが、観光客向けには露天風呂からの眺めが最高なみはらしの湯がおすすめです。
どの温泉も有料でタオルあり。

これはふれあいの湯(私はここが多い)

無料の温泉は2つ。
先に挙げた、漁港内にある洞輪沢温泉
源泉掛け流しで、廃湯もそのまま漁港に流れ出ているのでシャンプー・石鹸御法度。
ぬるめのお湯で長く入れるますよ。

この温泉の絶句ポイントは、

この、洗い場からの風景。
屋内とは思えない開放感ある斬新な作り。
天井付き露天風呂かな?と誤認しますな(しない)。
つまり、外から中が丸見えですわ(女湯は曇りガラスの向こうは風の街ですので、ルビーの指輪をしていても大丈夫)。
露天風呂の開放感と、普通の内風呂の遮蔽感の短所部分だけを足して2で割らない感じの恐ろしい作りですな。

もう一つの無料の温泉は、裏見ヶ滝温泉
こちらは混浴、ただし水着着用。

ここが無料よ、無料

しかしここ、更衣室が男女兼用の1室しかないと言う謎仕様になっておりまして、誰かが更衣室の入り口で門番ゲートキーパーをする必要あり。
こちらも下に川が流れていまして、全ての廃湯はその川に注がれていますので、シャンプー・石鹸禁止です。

◾️観光地

大坂トンネル展望台
ここは海あり山ありの八丈島らしい風景が見渡せる定番のスポット。
見晴らしの高台から島の西側と、島の北西にある無人島の八丈小島をパチリ。
展望台と言ってもただの歩道ですけどね。

記事のトップ画像に使った写真も展望台から
左に見える島が八丈小島
違う季節に撮った写真
朝早いとまだ日陰
広角にすると遥か下から延々と登って来た事がわかりますな

八丈富士
八丈島には2つの山がありますが、メジャーなのはこっち。
さっきの展望台からの写真で見える、写真中央に写っている山が八丈富士。
頂上まではこんな感じの

登山道入り口から頂上まで1,280段だそうです

整備された階段を、筋肉痛を覚悟すれば小一時間もあれば頂上まで。
更に火山なので火口を回るお鉢巡りも出来ますし、火口に降りる事も可能。
登だけなら小学校の遠足で皆来るという話ですので、そう言うレベル。
頂上からは八丈島を一望…

30ノット超えの風

出来るはずなんですけどね… 私は過去に3〜4回登って、毎回雲の中でした(しかも台風のような強風が2回)。

晴れていても山頂は…

実は八丈富士、上の写真を見てもわかると思いますが、頂上は雲の中と言う事の方が多い。
海にポツンと浮かぶ島ですからね、ちょっと湿った風が吹くと八丈富士も八丈小島の頂上も雲に隠されます。
さしずめ

いや、森じゃなくて山か

こんな感じなので眺望を目当てに登りたい方は、まず頂上を見てから決めた方が良いかも。

その他の眺望スポット
上に書いた大坂トンネル展望台や八丈富士以外にも、高台には幾つかの眺望ポイントが設けられていまして、

島の東側を臨む登龍のぼりゅう峠展望台

島南東部から北側が一望
中央に見える港は、八丈島の海の玄関「底土港」

ここは天気が良いと、遥か御蔵島や三宅島を見る事も出来ますわ。
青ヶ島は反対側。

八丈小島が真ん前の八丈小島展望台

広角で撮るとこんな感じ

ここはベンチもあって、人も少なく(誰かに会った事がない)、ぼーーーっとするのに最高ですな。
眼前には、

何回か上陸したことありますわ

八丈小島ドーン!ですよ。
高度成長期に生活インフラの弱さと産業の無さから公的離島を島民が嘆願、1969年に全国初の全員離島となって無人島となったこの島に思いを馳せるのもいいんじゃないですかね?

他にも島南部にある名古展望台や、島の南部を見渡せる名もなき展望台(だって名前が展望台って言う場所なんだもん)など、高低差の多い八丈島には多くの眺望スポットが。

飛行機の離着陸を眼下に見る事が出来るレアな展望台
島南部を一望

こんな感じですよ。

おっと!ここまでで約4,500文字。

人間が1回で読む事の出来る非航海日誌このブログの記事は約4,000文字と言われています(今考えたんだけど)。

長くなったので、今週はここまでかな… 

本当は流されて来た宇喜多秀家の話や海難の… ああ!これだけは書いておきます。

1992年のグアムヨットレースで犠牲者を出したヨット、マリンマリン。
その慰霊碑と海難事故慰霊、海の安全祈願の碑が八重根港からそう遠く無いところに建てられています。

事故をご存知ない方はこの辺を読んで頂ければと思いますが、クルーだった学生さんが不憫でねぇ。
私も来島の際には軽くお掃除したり献花したりしますが、海沿いとは言え目立たないところにあるにも関わらず、どなたかが普段から綺麗にして下さっています。
島民の方のご親切だと思いますが、おそらくヨットとは関係のないであろう方々が、こんな形で碑を守ってくださっている事は本当にありがたい。
海の安全は海に出る人で無いと守る事は出来ませんので、少なくとも私はこんな形で親切な方々の手を煩わせぬようにと思います。