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インハウスデザイナーのあれこれ。

前回投稿した印刷会社(詳しくはこちら)から紆余曲折。とあるファッション関係企業のインハウスデザイナーとして転職をしました。インハウスデザイナーはまた違ったやりがいと難しさがありましたという話です。

社内専業デザイナー1号⁉︎

恵まれた環境の印刷会社とは言いつつ、度重なる残業への限界とデザインのステップアップを感じ、思い切って転職することになりました。やく3年弱の在籍でしたが、その間デザインやDTPの基礎を作っていただけた環境でした。ありがとうございましたぁ。
そしてなんやかんやあって(この部分はまた後日投稿できるかも)前職のインハウスデザイナーとしての就職を果たすことができました。業界はファッション系で商材も高級志向。いままで流通業界しか経験しなかった自分にとって未知の領域でしたし、なにより「インハウスデザイナー」とはなんぞやですよ。
Googleにて検索をしたら、自分の言いたいメリットデメリットが丁寧に書かれておりましたので、以下リンクもご参考にどうぞ。
自社の発展に「線」で携わるインハウスデザイナーの仕事となり方、そのキャリアは?(adobe.com)

アドビ様の素敵な記事を読みつつ、あえて自分の言葉で語るなら「何でも屋さん」と表現しましょうか。これはインハウスデザイナーとしてではなく、中小企業に勤めた身として出たキャッチコピーかもしれません。

スキルアップができたかというと…

結論から言えば、スキルアップはできたと感じております。それまでの流通系のデザインから高級志向のデザインを中心としたデザインに対応するようになり、志向が大きく変化したことによって表現の幅が広がりました。特にブランディングの施策はデザインから動画までメディアを横断でき、私のデザイン志向を大きく変えるものでありました。
特に悩ませられた問題は「余白」への考え方です。流通系のチラシ、簡単に言えばスーパーやショッピングセンターのデザインですが、傾向として余白なくぎっちり商品や文字を敷き詰めたデザインが主流となっております。「余白は罪」と言わんばかりに、生まれた余白はことごとく潰されることが多く、その凝縮された中で部分的に写真を目立たせたりタイトルを装飾して工夫をしていたことをよく覚えております。このような考え方は新たな会社でのデザインではほとんど採用されず、高級ファッションの商材を取り扱うため、いかに洗練さ、優美さ、希少さを主張するかにデザイン志向が変わりました。その過程で培った余白の考え方は、余裕と行間に生まれる想像を掻き立たせる効果など、新たな表現の軸となりました。そして気がついたこととして、自分のデザインの好みが「余白」のあるシンプルなデザインであるということです。この点においては自分のしたいデザインという発見が生まれることとなり、ブランディングとして貢献していきたい指向などが明白になったきっかけとなりました。

デザインだけが仕事じゃない!?

これはインハウスデザイナーというよりも、中小企業のいち社員としての立ち位置になりますが、デザイン業務に並行して当時不足していた社内SE的な立ち回りも要求されました。これはタイミングが悪いというべきなのでしょうが…社内SEは入社時に在籍しておりました。しかし、私の入社一年少しのタイミングで社内SEの彼は退社となり、置き去りになった業務を他の社員で振り分けて引き継ぐこととなり haha! 私に振り分けられた業務はサーバの管理やメールアカウントの生成、機材管理などがあり「ほぼ社内SEじゃね?」と思わせられる業務が担当。
これは正直言って仕事の悩みの種となりました。精通しているわけでなくなんちゃってSEとしての業務負担は、本業であるデザインの業務を圧迫し、気がつけば5:5の割合で稼働する時期も…ただメリットがあったと言えば、新設のデザイン部署のシステムを含めたフローを考案することができたところでしょうか。全体的に管理できる環境では問題が起きた場合に迅速に対応や提案ができたケースが多かったので、インハウスデザイナーだけでは経験できなかったかもしれません。まあ、ブレーンがおらず予算もないため自己責任での修復や対応するケースがメインでしたので、リサーチには本当に苦労いたしました。それも良い経験です(白目)。

結局、インハウスデザイナーはどうでした?

大変でしたの一言に尽きます。特にデザイン業務が確立していない環境下なので、自分で考え行動する瞬発力が必要でした。今までデザインだけやればいいやという世界から、なんでもやってくださいねの世界になりましたのでデザインだけではない知識が豊富になったことは事実です。予算や納期などクリエイティブな思考では解決できないことも習得できました。この経験がなければ、今フリーランスで活動する基盤は出来上がらなかっただろうと思っております。また機材やソフトの取り扱いはフリーランスの立ち位置になった時に、自分で対処しなければならない環境になりますので、知っていて損はないかと。自己責任の効力が発揮していますかね。やったね。
他にも、社内や協力会社との調整力やデザイン領域の拡大はインハウスデザイナーならではじゃないでしょうか。これからインハウスデザイナーになりたい人がこの投稿を読むとはおもいませんが、正直企業ごとに環境は変わるし変えられるんじゃないかと思ってますので、いち意見として受け取ってくださいね。

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