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EnsembleGala後記③

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7-1.本番の感想

なんかめちゃくちゃ本番から時間が経ってしまってて、このままではまとめ書かずに終わってしまいそうなのでとりあえず本番の感想を先に書いてしまうことにする。曲ごとに。

①マーチ・バーンズ・ウォリス

久しぶりに録音聴きながら書いてるわけだがどうなってんだ。うますぎる。もちろんもったいなぁという部分もたくさんあるのだけど、この曲がこのレベルで演奏出来るというのがどれだけ特別なことなのか。最初のユニゾンよくここまで合わせられたな……。
というわけでマーチバーンズウォリス。ナイジェルへスらしい輝かしさに満ちたコンサートマーチ。メロディも和声も曲の展開もヘス色の塊なのだが、グランドマーチなどではどことなくエルガーやウォルトンといったイギリス近代の香りが漂う。
この曲、実はスコア通りの演奏するのはかなり難しい。基調が12/8拍子だが時に2連符なども挟まり、細かいテンポ変化もある。演奏側からしてもハードで、特にトランペットの音域は最高HighDとバグっている。
この曲を吹けるトランペット吹き……というのを念頭に声を掛けたけど、正直あそこまで吹いてしまうとは想像していなかった。OnePlay(楽譜にない)を吹いてくれたゆずぼくんブラボー。納得いってない部分もあるかもだけど。
そして冒頭カッコよく決めてくれたみゅーつーくん。この曲でいちばん好きなのは最初のバストロです。ありがとう。トロンボーンは演奏会通して、どこを切り取っても安心できる出来だった。バーンズウォリスのユニゾン(トロンボーンだけじゃないけど)、普通あんなに揃わない。パート練習したわけでもないのに。
練習でけっこう時間使ったからなかなかの所まではいったけど、細かいところ詰めきれなかった部分も多かったです。音のニュアンスとかテンポ変化とか。私の実力不足ですこれは。本番もうちょっとだけ落ち着いていけたらよかったなぁ。
とはいえ、この曲をこのレベルで演奏できることなんて今後まずないだろうと思って、幸せすぎる〜と思いながら振ってた。笑顔は演出じゃなくてガチで楽しかったから。ほんとだよ?

②テムズ・ジャーニー

1部のナイジェルヘス3曲のうち、どれかをたさんに振ってもらおうと思って投げたら、テムズジャーニーと。まあそうだろうなぁと思った。でも正直めちゃくちゃ羨ましかった。
今回の中でいちばんヘスの「らしさ」が分かりやすく出てるのはこの曲だと思う。吹奏楽というより巨大な管楽オーケストラという感じ(つまり何?)しかし薄くなった時にセクションの良さが際立つ。特にダブルリード主体となった部分のアンサンブルは素敵すぎる。メンバーがまた最高だったからね……。
この曲もかなり難しいはずなのだが、たさんが丁寧な合奏をしてくれたためかシンプルに完成度としてはこの演奏会中の曲でいちばん仕上がってたのではないかと。
そしてこの演奏会通していちばん驚きだったというか、自分が今まで知らなかったのを恥じたのだけど、ガチャピンくんがとても上手かった。ホルンセクションとしてもよかった。
あとクラリネットセクション、上から下まで魅力にあふれてる。この曲だけじゃなく、ヘス作品はクラリネットむき出しになる場面がすごく多い。そして今回の人達は音色に魅力あるメンバーだった。ありがとうございます。
そしてトランペットセクション。トランペットとコルネットの音色がそれぞれちゃんと生きている。今回のようにコルネットをそういう音色で吹ける人、なかなかいない。まあもちろん狙い通りですけども。

③ロッホナガー組曲

木管のこと全然わからんのや自分。本当にごめんなさい。こんなに大変だと思ってなかった。今だから正直に言うと、直前まで本当に怖かった。ラスボスだった。いや結果的にラスボスは演奏会当日には別の曲になった気がするが……。毎回進捗確認で1楽章やってても本当に不安だったし、何も出来ない自分がもどかしかった。でも最終週あたりの練習でなんとか形にはしたかな……と思う。
リア氏とえみこんぐさんには本当に負担かけてしまった……。ぼくがもうちょっと木管のことわかってたら倍管にして分けるとかいう発想もあったかと思う。でもおふたりとも本当によくやってくれました。ありがとうございました。他の過重労働だったみなさんも……。あっちゃんくんのソロかっこよかった。てか吹いてる姿からかっこいい。
2楽章は自分にとってはご褒美でしかなかった。そ。さんのソロはそ。さんらしい音で吹いてくれたので何も言うことないし、てさげ氏(&かりん氏)は琴線に触れる演奏だった。あまり言わなかったけど、ソロに重なって入ってくるユーフォやイングリッシュホルンも素敵でした。シンセハープも結構苦戦してたように思って、でもあえてあんまり触れなかったけど、さすがぴなし。しっかりまとめてくれました。
実はロッホナガー組曲全体でも自分が特に好きなのは2楽章の中間部でフルートのメロディが終わってから、そこまでアンサンブル的だったところが響きが広がって急に視界が開けたようになる部分、ここが本当に振ってて気持ちよかった。メロディ再現部に入るところのクラッシュシンバル、決まりましたね。あとトロンボーン1stだけ抜けてくるところ、大好き。いちばん最後は余韻を味わいたい……と思って振り下ろすのを待ったらコントラバスの響きが長く残った。最高の瞬間だった。ありがとう。
3楽章、ホルンめちゃめちゃがんばった。あんまり練習出来なかっただろうに最後しっかりまとめてくれた打楽器も(この楽章に限らず)素晴らしかった。かつーん!って抜けたピッコロも最高だった。でも、やっぱりトランペット吹きとして、うさぴょんさんの安定感を語らずにはいられない……。これね……めちゃくちゃしんどいんですよトランペット(コルネットもだけど)あんなに吹き続けられるのおかしいよ。どうなってんの……?
まあなんせ、ヘスのこういうアップテンポな曲には特有の高揚感があるんですよ。ほんと。めちゃくちゃ気持ちいいの。ほぼイキかけました。すみません。
リバーダンスももちろんやりたかった曲だけど、演奏会としてはやっぱりある意味でロッホナガー組曲が中心のプログラムだったように思える。(チラシデザインからして)やってみて、思った以上に難曲ではあったけど、このレベルで演奏出来ることなんてまあそうそうないだろう、と。そして、やっぱり演奏レベルもだけど、このメンバーとこの音楽が出来るのはあの日あの瞬間だけ。そういう意味で忘れられない時間になったことは間違いない。ガラ吹の皆様、私の自己満足に付き合ってくれてありがとうございました。そしてロッホナガーおじいさんありがとう。ナイジェルへス様ありがとう。

(続く)

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