今日はキュートな日

花柄フリルの付いたワンピースを着ているカップ子と

ドラム缶体形をしたマグ美が薄暗い隅っこでおしゃべりしている。

カップ子:今日もここ薄暗いね

マグ美：今日もここ人の気配がしないし、あたし、寒い

カップ子:あたしたちもう、忘れられて捨てられてしまうのかもしれない

マグ美：捨てられるんならまだいいけど、置き去りじゃないの？

カップ子:去年は良かったよね、去年はさ、まだこんなことになるなんて思ってなかったじゃん

マグ美：新しいインフルエンザかな？だから冬越せばすぐにまた元に戻るって思ったのに全然戻らない

カップ子:去年に戻りたいよ、去年はさ、今頃合コンの話ししてたよね

マグ美：独身部長の湯呑みに会いたいよ、部長の湯呑みどうしてるんだろう？

カップ子:部長達は秘書課のカップたちと一緒に

この上の棚にいるんだよ

ズル過ぎる！！

でもさあたしち

もうどこにも行かれやしない

マグ美：私たちみんなに名前も忘れられて

もし会う機会があってもさ

あたしたちはみんなにこう言うしかないんだよ

カップ子:ああ、あたしも言うよ

二人、声を合わせて:You know me?

マグ美：給湯室のキュートなあたしたちが

なんでこんなこと言わなきゃいけない

んだろうね？

二人、声を合わせて:しくしく