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今日はさくらの日

登場モノ

桜餅子:桜餅の妖精

柏餅音:柏餅の妖精

草団子郎:草餅の妖精

桜餅子(さくらもちこ)、草団子郎(くさだんごろう)、柏餅音(かしわもちね)が、花見をしている。

桜餅子:草団子郎さんを連れてくるなら、一言、言って欲しかったな。私、普段着で来ちゃった。

柏餅音:あらっ、普段着だって、餅子さんはなにやら、男を誘う匂いがするからいいわね。

桜餅子:どうしたの?そんな嫌みな言い方して。

柏餅音:別に、草団子郎さんは、餅子とばっかり親しくしているみたいだから。

桜餅子:まぁ、あなた、草団子郎さんが好きなの?あの方、御自分では古代中国から延々と続く草餅一族、とか言っているケド、肝心の草は、それまでは母子草をすり潰して餅と突き合わせていたの。

母と子をすり潰して突き上げるのは縁起が悪いだろって話でヨモギに乗り換えてから評判になったみたいよ。もしかしたら母子のトラウマを抱えているかもしれないし、じゃなけりゃ策士なのよ、油断ならないわ。

柏餅音:そんな事を言ったら、あなただって、そもそもは、墓参りの饅頭だったじゃない。寺の門番が植えてある桜の木の葉っぱの掃除が大変だから葉を塩漬けにして、あなたを包んだのよね。

そしたら桜の匂いが染みついて、それが美味しいって、なるんだから面白いわ。誰もそんなことは言わないけど、香気の葉で饅頭を包むって、私たち柏餅族の真似じゃない?

桜餅子:しっかりして、私たちが仲たがいするなんて嫌。じゃあ、言うけどね、草団子郎はその昔は女児の健やかな成長を願う桃の節句の厄除けをしていたのよ。女たらしなのよ、それでもいいの?

柏餅子:そんなの職業差別よ、私だって、端午の節句には男子が健やかに成長できるように子孫繁栄を願う仕事をするもの。あなたに言わせればそれもあばずれとかって話にすり替わるのかしら?

桜餅子:もう、いい、分かった、あなたたちはあばずれと女ったらし、お似合いのカップルよ!!

柏餅音:なんですってー!!キッー…

※取っ組み合う二人。そこにのんき顔で現れる草団子郎。

草団子郎:どーしたの?喧嘩なんか、止めてくれー、せっかくの花見が台無しじゃない。僕たち春の三色団子、明るく楽しく春を迎えようじゃない。僕、両手に花でウキウキさ。

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