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今日は傘の日

アンブレラ:傘の妖精、美少年

シルム:傘の妖精、尼

美少年のアンブレラは配達の仕事をしていた。その日彼は貴族の仮面舞踏会にエスカルゴを届けた。

そのついでに彼は会場を覗いてみることにした。様々な色とりどりの傘たちが開いたり閉じたりして

それはきらびやかな光景だった。

会場には七色に変化する紫陽花たちもその場を彩るのに一役買っていた。

会場の熱気にポッとなったアンブレラに目を付けた尼のシルム。彼女はアンブレラにそっと手紙を渡した。

彼は知らぬモノとはいえ尼さんならば危険はないだろうと好奇心が勝ってシルムの指定した屋敷へとやって来た。

そしてアンブレラはその日、尼さんによって筆おろしされた。

しかもこの行為はその屋敷の大使である貴族に覗かれていた。

シルムは大使の愛人で、大使のこうした変態趣味に応えるための生贄を探していただけだった。

大使はアンブレラをたいそう気に入り、変態仲間の貴族たちにも紹介した。

彼は配達員を辞めて貴族たちの愛玩具となった。

アンブレラは行為の最中にいつも天狗を見た。

関節を折り曲げたり、体をパカパカと閉じたり開いたりするたびに天狗がその鼻を伸ばすのを見た。

彼は自分が不思議な天狗を見たさにこの行為をしているのか行為そのものが好きなのか分からなかった。

そうして時は過ぎ気が付くと彼は千人もの男女と行為を繰り返していたが、

晩年になり、美貌は衰え、骨も折り、誰もが彼を汚らしいモノでも見るような目つきで見るようになった。

もっとも彼を悲しませた一言は

傘の馬~鹿

であった。

そして彼は打ち捨てられひっそりと死んだ

彼は死の間際、天狗が手招きしているのを見た。

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