憲法記念日

樹状巡査部長は神妙な表情をして話を始めた。

樹状巡査部長

ハイ・ホー婆さんの件はお気の毒でした。しかし、私たちは綺麗事を言うつもりはありません。

我々は主、ずんぐりむっくり様に害をなす可能性を一丸となって排除しなくてはならないのです。

米子さんやくりくりさんのいらした世界には権利や自由がおありのようですが、私たちの世界では主、ずんぐりむっくり様がルールブックなのです。

しかし健康なトロッポさんが殺害された件は許されません。犯人が外部のモノでないなら内部犯行。

この場合、考え方は二通りあります。

一つは私たちの伝達にミスがあり誤って殺された。それならばすぐに監査官にお伝えして処分を伺う必要があります。

米子

ンッ？でも、お二人は隠密に行動されていて、それをされていない…

Ｂ大佐

ああ、実はこの事実を隠蔽しようとしたモノが居るんだよ…

くりくり

それじゃあ、そいつが？？？

樹状巡査部長

ええ、それが第2の可能性。私たちは癌細胞民がヘルパーＴ司令官に取り憑り付き、彼をゾンビ化させた。

そして自分たちを拡散するための悪巧みを画策していると考えています。私はお会いする機会もあまりありませんが、

司令官ともあろう方が、軽薄そのもので、自身の保身しか考えない発言を繰り返した。これまでそのような司令官はおりませんでした。

司令官に取り憑いた癌細民は司令官に与えられている上っ面の権力だけを猿真似し、好き勝手に振る舞ったのです。

樹状巡査部長は小さな目をギロギロさせて怒りを顕にした。

つづく