あなたと私の、今の距離。
例の7年間片思いした○○ちゃんと実は文通をしている。
途中、私がその当時付き合っていた彼女と同棲をする際に一度文通をやめてしまったが、通算3.4年くらいは手紙のやり取りをしていると思う。
最初に文通を始めたきっかけは大した理由ではなかった。21歳だった私はいわゆるブラック企業に勤めていて、朝は6時半夜は終わったら(タイムカードがなかった)という今思うと震えあがるような環境で働いていた。
そんな中でも寝る前の楽しみは本を読むことだった。
ある夜、いつも通り本を読んでいると
主人公とその意中の女の子が文通をして、
心を通わせるシーンがあった。
「これだ!!!!!!!」とわたしは思った。
その当時○○ちゃんのことをめちゃくちゃに好きだった私は、どうにかして○○ちゃんと話したい。会いたい。と言う思いを日々募らせていた。
早速、深夜のテンションと勢いにまかせダメもとで○○ちゃんに連絡をし、文通をしないか?と言う旨を伝えたら、
「いいよ!お手紙大好き!」と言う様な返事が返ってきた。
今思うと、○○ちゃんも少し変わった子だったのかもしれない(失礼)
21歳の超絶かわいくてきれいな女子大生(北川景子さんと小嶋陽菜さんを足して2で割ったような感じ)が、文通だなんて古風なことをよく了承してくれたものだなと思う。
そこから私たちの文通は始まった。内容は本当に他愛もないようなことだ。
私は社会人で○○ちゃんは大学生だったから仕事や就活、家族や友達そんなありふれた
でも、私にとっては本当に大切な手紙が私だけに届くのだ。
仕事でへとへとになって家に帰っても、ぼろアパートのポストを見るのだけは忘れなかった。
仕事中、「嫌いな上司に今日はやさしくしたから今日は手紙来てるはず、いや来る!!」と謎の自信を持ち家に帰ることもしばしばあった。
たいていその自信は粉々に砕けることが多かった。
だが、ポストを開け○○ちゃんから私だけに向けられた手紙を見つけるたび、手紙が入っているぼろいポストの写真を必ずと言っていいほど撮った。
家に入りはやる気持ちを抑え手紙を読み始めると、仕事で16時間働いたことなんて忘れるくらいに、気づけば何度も手紙を読み返していた。
今、○○ちゃんが悩んでいること。家族とあったプチ事件。友達とのとりとめもないやりとり。
その一つ一つを知るたび、ほかの人は知らない○○ちゃんのことを一つ知れたようで胸が躍った。
仕事と学校でなかなか会える機会がなく、県をまたいでお互い遠くに住んでいたので、
1か月に1通ペースの文通はその当時の私にとって本当に心の支えだった。
しかし、ブラック企業で心身ともにやられたわたしは2年たたないうちに仕事を辞めた。
そして、幸か不幸か職場で出会った年上の上司(もちろん女性バツイチノンケ)と、付き合い同棲することになった。
つづく
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