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詩 「五月 雨の日」



いたたまれず傘を取り外へ出た

静かな雨の日だった

街中の公園の小径を独り歩いた

新緑の小径は柔らかな雨に包まれていた 

しっとりと濡れて 美しく透き通っていた 

草も樹も花もそして私も 大きな透明な膜に覆われていた

爪先が濡れていくのも気にならなかった

五月の雨はどこまでもどこまでも優しかった

私の中のザラザラとしたものが取れていくのを感じた

心が鎮まっていくのを感じた


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