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【映画】首

北野武監督が戦国時代を撮った作品で、北野作品が好きなのと、YouTubeの主要キャラ紹介動画を見て面白そうだったので観てきました。

物語は、荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こしてから、明智光秀(西島秀俊)が本能寺の変を起こして殺されるところあたりまでが描かれます。北野監督が書いた歴史小説の「首」が原作になっており、羽柴秀吉(ビートたけし)、羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)の3人組がうまく仕組んで、最終的に光秀に謀反を起こさせ、織田信長(加瀬亮)もろとも滅ぼし、信長の跡目を狙いに行くという感じです。
タイトルの通り、首にこだわった描写も多く、村重の一族を処刑する場面できっちり首を斬り落とす場面もあったり、陰惨な感じになりそうな話ですが、羽柴軍の3人のコミカルなやり取りや、キム兄演じる曽呂利新左衛門のキャラクター、影武者が何人死んでも飄々としている徳川家康(小林薫)などの存在もあり、エンタメとして楽しく観ることができました。
中村獅童の茂助もいい感じでした。何となく大河ドラマ「新選組!」の滝本捨助を戦国バージョンにしたようなキャラクターで、いい味だしてました。

また、何と言っても信長のインパクトが半端なく、やべーヤツ感が全開で素晴らしかったです(笑)精悍な信長もいいですが、こういうぶっ飛んでる系の信長も最高ですね。男色要素もバリバリで、村重や光秀への感情などもよく分からない感じが良かったです。
信長の家臣だったという黒人男性の弥助もいい味出していました。自分が弥助という存在を知ったのは、漫画の「へうげもの」ですが、信長との関係性など、よりうまく描かれていたように感じます。

合間合間に挟まれる戦闘シーンもたくさんの人がわらわらと動いていて迫力があり、生々しくて満足度が高かったです。漫画のドリフターズだったか何かで、火縄銃の最大の効果は音のでかさみたいなのを読んだ気がしますが、戦闘シーンの鉄砲音がデカくて、ドキッとするような瞬間があり、馬や足軽がひるむ感じがちょっと分かった気がしました。

個人的には、大河ドラマの無理くり女性に活躍させようという感じが苦手だったので、主役級の女性が登場しないのも好印象でした。時代性などのリアリティーを求めているわけではないのですが、あまりにも無理くりだと興醒めしてしまうので…。
製作委員会とか余計な横槍が入らずに、これだけお金をかけて時代劇を撮れる監督は、たぶん日本には他にいないので、まさに北野監督だからこそ撮れた映画だと思います。
今後どれだけ映画を撮ってもらえるか分かりませんが、まだまだ色々な作品を撮って楽しませてほしいです。

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