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【傷だらけのカルビ物語4】 風林火山のその後

こんにちは。

肉汁マスター イケタカです。

古代の兵法、
風林火山でシェア独占!?

自己満社長Rの陰謀により、
大ピンチに陥りました。

こんなやり方では
遠からず店は倒産します。

そこで僕は、師匠、
本物の肉汁使いMに
挽回のアドバイスを求め、
単身赴任の街から秘密裏に
横浜へ向かいました。

M師匠は肉の切り方一つで、
お客様のハートをグッと掴み
来店させてしまうばかりか。

馴染みのある食材で、

「毎日でも食べたい!」

と、来店頻度を
爆上げしてしまう一品、
即座に作ってしまうのです。

例えば、
葛西の某焼肉店では、

『ネギごはん』

と1アイテム
増やしただけで、
1日のカルビの出数を
2倍以上にアップしました。

横浜のホルモン店では、
塩焼き専門だったのを
食材は何一つ変えず、
“レモンだれのみを変更。

『レモンだれが旨いホルモンの店』

これをアピールし、
予約が取れない店にしました。

すぐ横で、師匠の仕事を見ていると、
肉には何もした様子がありません。

しかし、実は、

曇天の雲の如く
人知れず影の如く不可解
徹底的に隠された謀りごと

とも思える目に見えぬ、
電光石火の技があるのです。

M「気付かれたらアカンよ」

僕「どういうことでしょう?」

M「隠し包丁わかるぅ?」

僕「もちろんです」

M師匠は大阪出身なので
関西弁で質問してきます。

隠し包丁...って、
いまや家庭の主婦の方でも
知ってるような質問、、、

さらに師匠は続けます。

「せやけど、家でやるアレちゃう」

「ホンマモンの隠し包丁いうんはなぁ...」

これが本物!

僕は師匠の手の動きに
目が釘付けになりました。

その本物の技、
体に叩き込むべく
師匠の元に通うことに。

ところが、
僕が見せてもらったのは
、、、技の一部、
でしかなかったのです。

それどころか、
来る日も来る日も
メインの肉について
ほとんど教えてくれません。

師匠の店に着くとまず、
調理場の掃除から始まります。

次は野菜を洗って...

まるで新入りの小僧扱い、
それが毎日です。

単身赴任の店は夜からの営業。

なので、
開店に間に合うように
下働き&とんぼ返り人生ですorz

そして掃除と野菜を洗っての日々が
ひと月ぐらいと思うころ。

その日も、下働きが終わり
夜の営業に向け戻ろうとしてると、

「イケタカ君
 ちょっと座りなさい。」

なんだろう。

もう来なくていいよ、
なんて言われたら困るな...

まだ何も教わってないし。

そう頭に浮かびましたが違いました。

 「お客様は肉を食べに
  来てるようで実際は、
  自分でも気づいてない。」

 「総合的な食べ味を
  じつは楽しんでいる。」

 「それを知った上で
  焼肉屋の命、カルビを
  どう提供して喜んでもらうか」

という
陰の教えを受けました。

金槌でガツンと殴られた想いです。

基本中の基本。

この思いなくして、
前へ前へ進もうともがいていました。 

お客様の気持ち、
考え抜いていたはずでした。

しかしそれまで、僕は、
肉をテクニックで美味しくするやり方、
だけしか考えていませんでした。

でも実のところ、
古代の兵法かぶれと嘲笑っていた
Rの目線と大差なかった...

俺が俺が!と、
自分のレシピで作る満足しか
考えていなかったのです。

それまでのお客様には
独りよがりで失礼なことをしました。

これを境に気付いた、
僕の行動は変わりました。

Rと肉の仕入れについて
話しあい、柔らかさ、
仕入れコスト、お客様の満足、
それぞれが良いバランスで
提供できるよう取り組みました。

「お肉以外も美味しいね」

そんなお褒めの言葉も、
次第に頂けるようになりました。

そうして
単身赴任で務めた店には、
少しずつですが、常連と
お呼びできるお客様も、
増えてきました。

「よし、これでやっと皆で、
 前へ進んで一層頑張れる。」

そう思っていたら、
開店から半年ほど経ったある日。

「テレビの取材をさせてください」

一本の電話が入ったのです。

Rと僕、スタッフの皆で、

「まじか、やった〜!」

と大喜びしたのを今でも忘れません。

しかし、このテレビ出演...

地獄の入り口に足を踏み入れた瞬間

だったとは、
夢にも思わなかったのです。

【傷だらけのカルビ物語5】
・出没!ア○街ック天国(から地獄へ)

に、つづく。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

焼肉には人生をワクワク笑顔にするパワーがある!

ということで、
今日も肉汁MAX!!!(謎)

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