見出し画像

管理人さん

今日は土曜日だけど、ゴミ出しのために朝早く着替えて外に出る。最近は朝のゴミ捨てにもすっかり慣れてきた。

以前住んでた建物にはゴミ捨て場があったので、いつでもゴミが捨てられたうえに、管理人のおじさんがゴミを分別してくれていた。ゴミ捨て場に行くと、「分けるからそのまま入口のところに置いておいて。」といってくれた。

私がその建物に住み始めてから3人目のその管理人さんは、建物のオーナーさんがお願いして、何度も契約を更新してもらっていた。私も、ついに契約が終わりそうだと聞いた時は、私が交渉するから辞めないで欲しいと言った事があった。

綺麗好きで、ゴミ捨て場の掃除や積みあがった古い自転車の整理など、大変な仕事を嫌な顔をせずに積極的にこなしていた。いつも建物の入口に花を植えてくれていた。週末はお休みなのに、仕事に出てきていた。本当に楽しそうに働いていた姿を思い出す。昔は、地井武男さんのお家で働いていたと言っていた。

私がすごく背の高い棚を粗大ゴミに出す時は、棚を横にして運んでくれた。70歳を過ぎていたはずなのに、いつもこまめに動いていて、「何かあったら言ってね。」と頼もしい存在だった。

私が引っ越す日、引っ越し業者の人がダンボールを運んでる中、部屋で掃除機をかけながら業者の人に指示を出してくれていた。歩いて20分くらいの場所に引っ越すだけなのに、最後に「お幸せにね。」と言われてしまった。たまには顔を見にこようかと思ったのに。。。でも、数ヶ月後には管理人さんも仕事を辞める事になっていた。もう80歳になるから、と言っていた。

朝挨拶をして出かけたり、時々雑談をしたり、一人暮らしだったので、管理人さんがいてくれると安心した。

あの頃は管理人さんの優しさにすっかり甘えていたと、今になって思う。今でも優しい管理人さんの事を時々懐かしく思い出して、また会いたくなる。今も元気だといいな。

画像1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?