今までの報告にない現象との遭遇について

長期入院されている方のスクリーニング検査で、超脂肪肝が見つかりました。

脂肪肝は多くは、過食またはアルコール性です。
でも、長期入院されているので、近くのハンバーガー屋さんにこっそり抜け出し、ポテトを貪り食っていた、、みたいなことはあるはずがないです。

病院ではアルコールも隠れて飲むことはできません。(看護師さんが24時間体制で見張っています。)

ではなぜ?脂肪肝になったのか?

ある日に、検査した時は、普通の肝臓でした。
今回8ヶ月後検査すると、脂肪肝が出現していました。

実は一つだけ、変わったことがあったのです。
最初の検査の前、ある抗精神病薬の投与が開始されました。

僕の見立てでは、その薬による薬剤性の脂肪肝が起こったのだろうと考えます。
なぜなら、経過の中で、薬の投与だけ変えられていたからです。

おそらく、最初の検査の時にはまだ肝臓の病変が進行しておらず、検査には写ってこなかったが、8ヶ月にわたって進行し、検査で著明に現れ始めた。

調べたところ、報告はありませんでした。

なぜか、
普通この薬は外来などで使われることが多く、何か起きても、さまざまな環境の変化で原因の特定が難しかった。(それこそ食事かもしれないですよね)
たまたま長期入院で、他の環境の変化なく、薬という変化だけ抽出できたわけですね。

では、こういうことが滅多にお目にかからないかというと、

今回は、”たまたま”遭遇しただけで、私たちの目をスルーしていることも多いと思います。
前代未聞の現象はいつも私たちの目の前を通り過ぎているかもしれません。
どうしたらそれをいつもキャッチできるのか、難題です。
見逃しているものがなんなのか知るのは難しいです。

ちなみに脂肪肝だからといって直ちに命に関わるわけではないと思いますが、進行すると肝硬変とかになるかもしれません。肝硬変の後は肝細胞癌、静脈瘤破裂などの結果になるかもしれないです。