急性のめまい?はいはい大丈夫

急性のめまいで病院を受診すると、本当は診察が大事なのですが、
大抵頭の画像を撮られます。

日常よく経験するのと、大体フローが決まっているので、処理としては簡単だと思っている医師が多いと思いますが、医者にとっては思わぬ落とし穴もあります。

高を括っている場合があるので、
あまりにひどければ、医師の判断を乗り越えて、さらなる詳しい検査など要求していくのもありかもしれません。
以下解説します。

ゲーゲー吐くくらいのめまいの場合は救急車で来られる方が多いかもしれませんが、
頻度としては、良性頭囲発作性めまいと呼ばれる三半規管の異常が多いです。
大体1、2週間くらいすると軽快してくるようです。

ただ、この病気と紛らわしいのが脳梗塞です。
脳梗塞の方との区別は、他に神経の異常がないか丁寧に診察してもらうことが大事です。

他に神経の異常があると、脳梗塞の可能性が高まってきます。例えばものが二重に見えるなどですね。脳梗塞とは血管が詰まる病気なので、脳の複数の機能領域にまたがってくることが多いからなんですね。

なので、他の神経の異常がないか調べることが大事になってくるんですね。
脳梗塞が疑わしいと、MRIと言って脳梗塞が鋭敏に写る画像を撮ることがあります。

めまいが全然治まらず、ゲーゲー吐きまくっている場合も、神経の診察を省略して撮られる場合があります。

医者としては、MRIで何もなければ、「脳梗塞ではない」ので、ほっと撫で下ろし、救急外来であれば、帰宅の指示をします。(帰宅させたいのです)

めまいは本当に救急外来での受診が多いので、手慣れている医師も多いです。

しかし、実は、神経の異常もなく、めまいだけの脳梗塞というのが存在します。
例えば、脳幹と言って、体の自律的な機能を維持している、中枢のようなところがありますが、
そこに微小な梗塞が起こったりすると発症します。
脳幹の延髄というところの背側の梗塞に至っては、MRIでは60%が映らないというデータがあります。

実は医者がみんなよく経験する疾患で比較的簡単な対処と思われているも、もっと細かくこだわると、この検査をしてなければ大丈夫ではない、イカれた例外があったりします。

受診する側としては、症状がとにかくひどいければ、医者の判断を超えて、もっと検査してくださいとか頼むのもありだと思います。たまに患者側が要求したことで、重大な疾患の見逃しを避けられるケースも聞きます。