副腎偶発腫瘍について

副腎は、腎の上に接している臓器で、左右1対ずつあります。

髄質、皮質と組織構造が分かれます。
前者は、スリルを味わうときに出るアドレナリンなどのカテコラミン、
後者は、内因性ステロイドつまり、鉱質/糖質コルチコイド、性ホルモンを分泌します。

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/10-内分泌疾患と代謝性疾患/副腎疾患/非機能性副腎腫瘤#治療_v983133_ja

副腎は、膵、下垂体と並ぶ機能性腺腫(ホルモンが大量に出続ける良性腫瘍)ができるところで、原発性アルドステロン症(アルドステロンが出続けてしまい高血圧などになる)など、腫瘍は小さくても、症状が出てしまいます。

一方で何も症状のない腺腫というのができることが多く、
組織的には、脂肪組織が含まれます。

あまりにも多いため、副腎にできた腫瘍は2cm以内なら、基本的にはこの腺腫ということに、現場として、みなしています。
で、その後フォローしても、ほぼ全てがサイズが変わらないので問題ない、、

と思っていました。

ですが、最近、この2cmを下回る腫瘍が、後々増大した症例、
明らかに腺腫の特徴を有していたのに、いきなり悪性腫瘍のような様相に変わった症例
を経験しました。

前者は、本当に原因が不明ですが、
後者は、どうやら他の臓器にも変な影が出ていることから、副腎腺腫に転移した?ではないかなと予想しています。

これは、良性だから考えなくてOKと思っていると、痛いしっぺ返しに会うことがあります。
多く経験していると、常識を変えてくるようなアノマリーに出くわすことがあります。