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変圧器の入力、出力、損失、そして効率とは?

平成29年度 電験3種 機械 問8についてです。

質問内容は負荷率を使ってしっかり式を立てて計算できないため、そこを教えて頂けないでしょうか。

銅損と鉄損が等しくなった時に最大効率となることや銅損は負荷電流の二乗に比例することからの自己流でメモしながら回答まではたどり着けるのですが、電験王さんはじめ各種参考書の負荷率を使った立式とその理解ができない状態です。
今後応用を効かせるためしっかり理解しておきたく質問をさせて頂きました。
基礎の内容で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
ご質問

ということで、今回は変圧器の効率を計算するときによく出てくるあの式を立式するために、ただ暗記するのではなく根拠となるロジックについて解説します。

質問があった電験王の解説はこちらです。

変圧器は入力する一次側と出力の二次側に分かれており、一次側に交流電圧を印加すると巻線比に応じて電圧が変圧され、それが二次側端子にあらわれます。これに負荷をつなげると、例えば本来電圧が高すぎると使えないような機器が、変圧することによって安全に使用することができるのです。
変圧器の構造は様々ですが、最も簡単にあらわしたものが下の図です。

変圧器の模式図

鉄心の輪があり、一次側二次側それぞれで鉄心に導線を巻き付けています。巻線の巻き数は一次側と二次側で違いがあり、この比のことを巻線比といいます。ですので一次側と二次側は電気的に接続されているわけではありません。にも関わらず、一次側端子に電源、二次側端子に負荷をつなげると電源から負荷へと電力を送ることができます。これは、一次側に電流が流れることによって巻線、つまりコイルで発生した磁束が、磁束の通り路、つまり磁路である鉄心を通って二次側巻線に起電力を起こし、結果として二次側につなげた負荷に起電力が印加されて、電流が流れるという仕組みです。

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