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映画の感想(憧憬さんとの文通)

憧憬さんからいただいた手紙です。


この手紙は番外編的な扱いで大丈夫です。自己満なので感想とかも気にしないでください。ぜんぶ見てから感想を書いてるので忘れてるところや熱が冷めていったん冷静になってる部分があります。

『愛なのに』(2021)

感想をメモりながら映画を見てたんですが、まず一番初めに「罪は相手を傷つけることだと思うんだな。」って書いてありました。これはたぶん序盤の不倫のシーンに対しての感想で、男が不倫をしたことに対して謝ってたのでそれは違うぞという感想です。

メモった感想がぜんぶこんな感じで、自分に使えないやつだなと思ってます。感想を見ると主人公の古本屋の店主にずっとヘイトが向いてますね。たぶん気に食わなかったんだと思います。

愛なのに、というタイトルなので愛をテーマにした映画なのだと思うのですが、私の一番最後のメモに「なんか誰も愛を理解していない気がする」とあります。理解してないというのは言葉が大きいですが、誰も愛をやっていないように私には見えました。愛に近いのは主人公と女子高生のヒロインではなく、不倫してた夫婦の方だと思います。

「こうやって結婚してくんだろうなって」というメモがあります。「恋は気持ち悪いもので、愛は気持ち悪くなくなったもの」とメモってますが、これは私の最近の恋愛観です。この理論だと主人公とヒロインは気持ち悪いので恋です。

「愛?を語るならまず彼女に罪を告白しような」過去の私はすごい主人公に嫌悪してたみたいです。ここでいう罪は彼女からの好意を曖昧にしてるのに、不倫相手の女性と寝たことにキレてるんですけど、作中で最後まで言及がなかったので驚きました。

愛なのにというタイトルから感じるのは愛を言い訳に使ってるんだろうということです。許せん。

『Summer of 85』(2020)

メモを見たのですが「イケメンだ」としか書いてなかったです。序盤はイケメンだぁという感想しかなかったです。ただただ普通の恋を見せられてる感覚。

映画として作りたかったのはイケメン(登場人物の名前が絶対に覚えられないんです)が死んでからなんでしょう。三つの中で一番好きだったのはこの映画です。だからか上手く感想を書けないです。

何が言いたかったのか掴めそうで掴めなかったのだと思います。だからメモもないのかな。ほかの人のレビューとかを読んでもピンときません。

たぶんあのイケメンがすべてを抱えたまま死んでしまったせいで、彼の中で物語の風呂敷が閉じられなかった。それは観客も同じで、だから彼が苛立ちにも馴染めたのかもしれない。でも結局生きていくにはあのイケメンとの物語を閉じなきゃいけない。そして新しい物語を始めなきゃいけない。まだ若いのだから。

みたいな感想をいま考えました。上手くまとまりません。

『神は見返りを求める』(2022)

私は正直こういう後味の悪い感じの作品は苦手です。序盤中盤終盤ずっと鬱でもいいから、終わりだけはいい感じしてほしいなって思っちゃいます。救いがあってほしいんです。

あとYouTubeに対する解釈がたぶん180度違くてずっともやもやしてました(ユーチューブキッズなんです)。ユーチューブが「映画や音楽みたいにずっと残るものじゃない」ってセリフがあって、私は逆だと思うんです。このネット社会で動画っていうのは永遠に残っていくんです。

私はこういう人間の本質を描いた作品を見ると、いつも人間ってほんとに悪なの?て思います。もちろん人間の本質が善であるというつもりはないですけど、なんというかそれでも必死に善にしがみつこうとしてるんじゃないんですか。

正直見てすぐは後味の悪い映画だなって思いました(あとユーチューバーを馬鹿にしすぎだろって憤ってました)。ただそれは映画の見方としては間違ってるので、冷静になって考えてみました。

あのおじさん(ムロツヨシ)も必死に善にしがみつこうとしてたんだろうなって。「抱かせろ」とか「抱いとけばよかった」みたいなことを言うのかと思ってたら最後まで言わなかったので驚きました。

神は見返りを求めるというタイトルだけど、あのおじさんは見返りを求めてなかったんじゃないかなと思います。少なくとも一緒にユーチューブを取ってた時間は求めてなかった、だからこそ壊したくなかったというか、なんというか。愛憎なんていうけれど、愛の混じった憎はぐちゃぐちゃになりますよね。

感想の感想

言語化してみると、なんか私の映画の見方はずれているような気がします。映画って人間を通して人間を描くみたいなものが多いからか、上手くなじめないのかもしれません(私人間じゃないので)。ずっと一歩引いたところか眺めてる感じがします。


P.S.
憧憬さんが作られた映画も見ました。よかったです。こういう言い方は失礼かもしれませんが、私は個人製作みたいなものが好きです。その人の言いたかったことが純粋なまま伝わる気がするからです。

本人にあんまり感想を書くのはなんか恥ずかしいので、見ながら書いたメモだけ貼り付けておきます。メモの量は一番多いです。

シュレディンガーの猫がテーマで、ファインダーが箱?

お前呼びやめて

質問はぐらかされてるけど、いいのか?最初の出会いを忘れたのか?

たぶん都合のいい女なんだろうけど、恋の本質はそこな気がする。互いにキャッキャイチャイチャできるなら相手なんて誰でもいいんだろうなって思う

箱を開けたきゃ開ければいいし、開けたくなければ開けなければいい。ただ時間が経てば経つほど猫は死んでるだろうけど。

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