春からタクシーに乗務する300名の新卒社員たちへ【TOPからのメッセージ】
ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)新卒採用担当です。
4月1日に入社式が執り行われ、300名の新卒社員が入社しました。ご入社おめでとうございます!
今年の入社式は、コロナ禍であることを鑑み、オンラインと対面のハイブリッド形式で行われました。会長・社長からの祝辞は、各自自宅にて日本交通のYouTubeチャンネルからの限定配信を視聴、労働契約の締結は日本交通の営業所や本社など、複数の会場に分散し対面で実施しました。
「新卒でタクシー会社」という選択をする方は年々増えてはいるものの、まだまだ一般的なものではないことも事実。そんな中でも「日本交通に入社する」という決断をした300名の新入社員に向けて、会社のトップである会長と社長が送った言葉を特別に紹介します。
会長・川鍋からの挨拶
ご入社される300名の皆さん、ご入社誠におめでとうございます。
そしてようこそ、この日本最大のタクシー会社、すなわち世界最高のモビリティカンパニーへ!
乗務員の仕事
皆さんはこれからタクシー乗務員としてハンドルを握ることになります。地理の知識や運転、そしてお客様との接客を身につけていきます。今の時点で「慣れていない」という人でも大丈夫。1日十何時間も運転することになりますから。まずはここをしっかり勉強しましょう。
入社3年目くらいまでには、その次のステップを目指してほしいと思います。乗務員としての最高峰、EDS(エキスパート・ドライバー・サービス)®である観光、サポート、キッズ。そこで付加価値の高い新しいタクシーの姿を体現してください。
乗務員以外のキャリアパスもあります。タクシーの営業所で班長の見習いやリーダーの役割。そして営業所の管理側になる。本社も人事、経理・財務といった部門もあります。ただ漫然と過ごしているだけでは、日本交通の社員としていい人生を送れるわけではありません。皆さんには今自分の置かれた状況を最大に生かしてほしいと思っています。
挑戦の重要さ
この日本交通で皆さんにとっての最大のアドバンテージが何だか知ってますか? それは若い人が少ないこと。もちろん皆さんの上には10年にわたって新卒の先輩たちがいます。けれどそれも全体の中ではそんなに多くはない。
ですから皆さんはやろうと思ったら何でもできます。ただし、ちゃんと自分の力で考えて行動する。これができればの話。だから目の前の課題を漫然と過ごすのではなく、工夫して過ごしてみてください。それをする限りバッターボックスに立てます。
他の会社に入れば、当面は見習いから始まります。一方でタクシー業界、そして日本交通では見習い期間は短いです。一人でお客様をお乗せする中で、皆さんが冷や汗をかくこともあるでしょう。道が分からなくてお客様に怒られることもあるでしょう。
でも自分ひとりの力で何とかしなきゃいけない。この状況でバットを振ることで、皆さんの力はどんどんついてくる。練習じゃなくて実践でね。
皆さんが今日を迎えるまでに様々な人から「なんでタクシーなの?」と言われたでしょう。それを乗り越えて、皆さんは自分の決断を正しいものとしてください。「これでよかったんだ」という場は与えられています。
皆さんが自分の頭で考えて決断して行動できた、周りの声に負けずに日本交通を選んだ、このアドバンテージを最大限に生かしてどんどん成長していただきたいと思います。
タクシー業界のDX
タクシー業界は、どんどんIT化が進んでいきます。タクシーの車両もどんどん進化しています。衝突防止ブレーキがつき、ワゴン型の車両になりました。LPGハイブリッドという最新鋭の車です。そこにタブレットが積んであって、アプリで車両を呼ぶことができる。
お客様の支払いはキャッシュレス。今や現金支払いは半分以下です。空気清浄機もついて、コロナ対策ができます。コロナウイルスだけでなく、車内の花粉などを全部吸い込んでくれて、一番きれいな車内で過ごすことができます。
タクシー業界は今年110年を迎えていますが、その進化を支えさらなる次の100年に連れて行ってくれるのは新卒乗務員の皆さんです。
タクシーは人も物も運ぶ乗り物へ
タクシーは去年から相乗りができるようになりました。これからは、例えば空港シャトルバスのようなものから始まって、大手企業の送迎相乗りタクシー、そして最後は都市や地方においてのミニバスのようなオンデマンドタクシーがアプリで呼んで乗れるようになる。以前はバスや電車、徒歩、自転車を選んでいた方に、タクシーを使っていただけるようになると考えています。
今高級レストランの食事をタクシーデリバリ―として運んでいます。これからどんどんこの領域が広がっていって、あらゆるものがタクシーで運べるようになります。
そしてタクシーにはドライブレコーダーが付いているのご存知ですか? 車内と車外の画像を全部撮っています。車外で撮っている情報は今、どんどん4G回線、いずれは5G回線で吸い上げられる。実は裏側では、ゼンリンさんの地図の情報を照らし合わせて、道路情報の変化を検知しています。
もう少しすると、我々のタクシーについているドラレコが動く防犯カメラになります。例えばあそこで事件が起きたとしたら、その画像をとらえる防犯カメラ替わりになる。
またタブレットにはSDKというプログラムが組まれていて、小学生がICタグを持っていると、50メートル圏内にその子がいたというデータが残る。そういった小学生やご老人の見守り機能もあります。
そしてこれは10年後くらいになると思いますが、タクシー車両が全部EV化してきます。グリット化されたバッテリーを積んで、台風や停電などもしもの時には、タクシーが各家庭に届けることができる。すると家1軒が2日持ちます。
このように、タクシーは最後まで走り続ける動く公共交通です。タクシーさえ動いていれば、その地域の安心・安全が守られる。こういう万能な存在になっていきます。その中心にいるのがあなたなんです。
自動運転のある未来
「自動運転が進んでいけば、タクシーはそのうちいらなくなるでしょ」という方もいます。でもそんなことはありません。自動運転の実証実験を我々の関連会社でやっていますが、無人での自動運転はあと30年はかかります。
世の中が変わるというのは、それくらいのゆっくりしたスピード。それまでの間、自動運転は皆さんの運転を助けてくれるありがたい仲間です。例えばよそ見してぶつかりそうになったときに車を止めてくれる、これが自動運転です。運転は車がやってくれて、皆さんは人間としてのホスピタリティを磨いていく、そんな時代がこれから30年は続きます。
人間ができるホスピタリティ・サービスをいかによくしていくか、そこに一生懸命になっていただければ皆さんの未来は明るい。ひいては日本の公共交通、日本のモビリティインフラの未来は明るいということです。
一緒に日本の未来を作って行けることを楽しみにしています。
本日は誠におめでとうございました。
社長・若林からの挨拶
改めまして新入社員の皆さん、ご入社誠におめでとうございます。
数ある会社から日本交通を選んでくれたことを大変嬉しく思っております。これから皆さんとともに、日本交通の歴史を作っていくことになります。一緒に頑張っていきましょう。
皆さんには今日からまったく違う日々が待っています。その日々の積み重ねが各人の成長に繋がり、同時に日本交通の歴史の1ページになっていきます。今皆さんは期待と不安が入り混じった状態になると思いますが、これはどの業種・職種であっても経験することです。心配することなく、社会人になったあかしだと思ってください。
コロナ禍で、タクシーは社会生活に欠かせない職業であると認定されました。ドアtoドアで人の移動を助け、移動で人を幸せにする唯一の公共交通でもあります。仕事に誇りを持って業務にあたってほしいと思います。
不安を抱く皆さんへ
皆さんの中には乗務することに不安を感じている方も少なからずいると思います。ですが安心してください。皆さんと同じように不安を抱いて入社した700人の先輩社員の方々が、すでに課題を克服し、成長した姿で皆さんの配属を待っています。700人もの先輩社員がスタンバイするこの事実が、不安を払拭するにあたる実績だと思います。
とはいえ、最初は地理を覚えることとお客様への対応に苦労するかと思います。ですが、30年のベテランの乗務員さんでさえ、わからない場所やお客様のお求めに応じきれないことはあります。当面は失敗しても周りの方々がフォローしてくれますので、自分を責めないでほしいです。
新卒のフォロー体制
皆さんがスキルを身に着けるために先輩たちがマニュアルを作ってくれました。新卒1年目に特化した研修を行うため、3年前にプロジェクトチームを発足し、都内の走り方やお客様対応をマニュアル化したものです。このマニュアルは毎月、先輩社員の方の営業実績をもとにリニューアルしています。
結果、昨年の新卒の方々は一昨年よりも早く乗務員としてデビューすることができ、また営業成績も10%以上向上しています。さらには、交通トラブルも大幅に改善しています。今度は皆さんが来年入ってくる後輩たちのために、このマニュアルに新しい情報を上書きしていただきたいと思います。
今年から各営業所に皆さんを担当する先輩社員を数名ずつ配置しました。日本交通は皆さんを独りぼっちにはしません。困ったとき、苦しいときに相談できる窓口を用意しました。先輩社員の皆さんも、新入社員の皆さんからの相談事に対応できるよう、準備万端の状態で待ってくれています。その先輩社員のバックには次長や所長がいます。フォローの体制はバッチリ整ってます。
日本交通の強みは、縦横の繋がりが深くて強いことです。安心して懐に飛び込んでください。最初は気負いがちになって無理してしまう方もいるかもしれません。勤務シフトに慣れるまでは、2か月~3か月ほどかかるものなので、最初は急がず焦らず気負わず、ゆっくりと一つ一つのスキルを身につけて行ってください。
一番よくないのは頑張りすぎて心を壊してしまうことです。せっかく社会人としての一歩を踏み出したのですから、躓きそうになったら遠慮なく先輩を頼ってください。
そして同期を頼りましょう。今回、皆さんには300人の同期ができました。SNSなどのコミュニケーションツールや、同期の仲間と情報交換することも問題解決の一つになると思いますし、何より同じ境遇を仲間と通じることによって安心できると思います。それらの仕組みをフル活用してください。
日本交通は移動に付加価値を付けたサービスをお客様に提供しています。ハイヤー・タクシー共に、主役は乗務員さんです。今回は乗務員の仕事をより深くイメージしていだだくために、実際にあったお客様からのメールやお手紙を紹介します。
お客様の声
まずは幸運のタクシーを利用されたお客様からです。
日本交通グループには、ピンクの行灯が付いたタクシーが7台あります。5000台分の7台ですので、乗車できる確率が非常に低い。このことから、幸運のタクシーと呼んでいます。今回はその幸運のタクシーを利用されたお客様からのメールですが、その車両に乗ったということよりも、担当してくれた乗務員の心遣いに感銘を受けてこのようなメールをくださいました。
続いて結婚式でご利用されたお客様からのお手紙です。
日本交通はこういったお祝い事がとても多くご注文としていただいております。こちらの事案もご長男の方の門出にふさわしい接客をしていただいた乗務員さんへの感謝の手紙として送られてきたものです。
最後に陣痛タクシーをご利用された方からのお手紙です。
日本交通にはお客様からのご予約やご注文を受ける無線センターがあります。今回の件は無線センターの職員の方と乗務員の方が同じ思いでお客様に向き合ってくれたことが、この感動に繋がっています。
いずれの案件もお客様への思いやりやちょっとした言葉遣いがお客様の胸に響いています。これから乗務するにあたっては、一人ひとりのお客様から「ありがとう」と言っていただけるような接客を心がけてほしいと思います。
まだ免許を取得していない皆さんは、これから無線センターや専用乗り場等で乗務員と同じ意識で活躍できる環境も整っていますので、その時間を上手に活用していただきたいと思っています。
未来へのメッセージ
このように桜にNのマークは国民生活に深く接し、社会に高く大きく貢献できています。先人が作ってくれたブランドを守り、もっと充実させて、これからも選ばれるハイヤー・タクシーとして歩んでまいります。ITや新しい取り組みを取り入れて、ハイヤー・タクシーが進化しても、桜にNのホスピタリティは創業以来変わりません。
そして、このブランドを担うのはほかでもありません。皆さん一人ひとりです。桜にNのブランドを持ち、後世に徳を残すよう我々と一緒に頑張りましょう。
最後になりますが、皆さん一人ひとりが移動で人を幸せにするという強い意識と自覚をもって、日本交通の社員として新たなスタートを切れるよう切に願っています。皆さんの入社を心から祝福し歓迎のあいさつと致します。皆さん明るく楽しく元気よく、よろしくお願いします。
『ODD TAXI』小戸川さんからのメッセージも!
Twitterにて、アニメ『ODD TAXI』×日本交通のコラボが行われいた関係で、なんと22卒新入社員の皆さんに向けて主人公の小戸川さんがメッセージを送ってくれました!
アニメとのコラボレーション・入社式にアニメキャラ登場というのは日本交通至上初の試み。メッセージをくださった小戸川さん、本当にありがとうございました!
労働契約の締結
午後からは会場を分散し、労働契約の締結が行われました。各自緊張した面持ちでしたが、社会人としての新たな一歩を踏み出す決意があふれていました。
人事より
この度はご入社誠におめでとうございます! 22卒の皆様のご入社を人事一同、心より祝福します。日本交通への入社にいたるまでに、様々な思いを抱えて意思決定をしてくださったことと思います。決意を胸に日本交通の仲間の一員になってくださったこと、本当にありがとうございます。
どんな仕事であっても、最初は慣れなかったりうまくいかなかったりミスをすることがあります。私も入社したばかりのころは、失敗して落ち込んだり悔しい思いをしたことがたくさんありました。それでも「頑張ろう」と思えたのは、同期を始めとした配属先の方たちでした。社長のお言葉にもあった通り、皆様もつらいと感じたときは先輩や同期を頼っていただきたいです。
皆様が日本交通で自分らしく活躍されることを、心から願っています。一緒にモビリティ業界の未来を作っていきましょう! この度は誠におめでとうございます。
Text:Tobita
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