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寺院を継ぐため僧侶修行をしていた私がタクシー会社に入社した理由

ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)新卒採用担当です。
今回は今年入社したばかりの23卒新入社員に、ご自身の就活を振り返って記事を書いてもらいました。

新卒で入社する会社を選ぶ大事な意思決定をどう決断したのか、それまでにどんな人生があったのか、同じく今意志決定に悩んでいる方の背中を押すことができれば嬉しいです。


皆さま初めまして。日本交通(株)の中と申します。2023年入社で、ついこの前まで学生でした。現在は新卒採用担当として働いますが、ゆくゆくはタクシー乗務員として働きます。

それではさっそく自己紹介を始めます。

◇自己紹介

名前:中悠磨なかゆうま
出身:兵庫県生まれ 長野県育ち

大学では仏教学や仏教史について学んでいました。お寺の長男であり、25代目の住職候補でした。当初は僧侶を目指しており、大学在学中に京都で修行歴を重ねるため、実践的な修行生活をしていました。この経験が人生の転換点となりました。そんな私がどんな人生を歩み、日本交通に入社するに至ったのかをお話します。

「苦労」と無縁の寺の子

私が誕生してからすぐに父親が修行に行き、父親の実家がある長野県に移り住むことになりました。6歳頃までは父親は家に帰ってきませんでした。

幼少期から将来の跡継ぎ候補の「お寺の子」として顔が広かったように感じます。当時の私は時間を拘束されるのが嫌で、部活にさえ所属していませんでした。家に帰ってもゲームや、外で遊んでいるばかりでした。

大学受験も掛籍者かせきしゃ推薦(寺院の子息なら入学できる制度)があり、生まれた時点で大学入学は確定。部活・受験勉強をほぼしていなかった私は、大学入学まで挫折や苦労といった経験を全くしてきませんでした。就職先も生まれた時点から約束されている私。

「寺の子だからお寺を継げばいいや!」

という甘い考えで過ごしていたんです。

普通の大学生じゃない

経験・人生観が変わったのが大学生活です。
私の卒業した大学では、特別な課程や制度があり、4年間のうち2年間は僧侶集団の修行生活をしていました。実際当時は修行の具体的なイメージもできておらず、

「今の生活とかけ離れてるけど、とにかく昔ながらの質素な生活をすればいいんでしょ?」

という軽い気持ちで修行生活が始まりました。

辛すぎた


読経中

修行は想像以上の超体育会系、長時間の坐禅、正座、下記のスケジュールによって肉体的、精神的に負担で、3カ月で15kg痩せました。

さすがに大変でした


担当している行事の役職管理やスケジュール把握、特に目上の方に対しての気遣いがとても必要で、生意気でも許された高校生活から一変しました。
何もかも積極的でなかった私はかなり指導を受けました。

修行後に感じたこと

修行の大詰中

修行を2年間してみて感じたことは、

「先輩が私の将来のことを想って、私自身に興味を持って接してくださっているということ」

ちゃんと自分のために指導していただける環境は有難いということです。

もう一つ。当時は、「怒られる=マイナス」と考えていたのですが、

「興味ある相手を想って正しい姿に導いてくれること」

と、プラスに受け止められるようになりました。

また、後輩を指導する立場になったとき、指導は”精神力”と”時間”をかなり使うことにも気が付きました。

猪突猛進で始めた就職活動

2年間修行をしていて、最低限の自立はもちろんですが、精神的にも強くなり、濃い修行生活で将来などについてよく考えるようになっていきました。このとき、私は

「ただ将来が約束されていて流されるままに修行をしている自分の取り組み方は宗教者としての本質ではないし、正直に自分が将来やってみたいことをしてみよう」

と思い、趣味の一部でもあった「旅行」から

「各地を巡ることができる仕事にしよう」

という気持ちで、就活を遅めの3年生の3月から始めました。

とはいえ、周りの先輩や友人も寺院の息子ばかりだったため、就職活動の話も一切なく、世間の就活生の状況が一切分かりませんでした。

ES・インターンなど、言葉の意味さえも理解していなかった状況からのスタート。なので、インターネットで就活用語や学生の就活状況などをとにかく調べました。挑戦してみないと実際の経験値にならないということで、当時は”当たって砕けろ!”精神で就職活動を始めていきました。

初めての選考

当時の軸は、修行生活での考えの変化により、成長の追求も大事にしたいと思うようになりました。そこで決めた軸は、

・対話が多い接客業
色んな土地に出回れる仕事
若手の内から活躍できる環境

でした。

旅行が好きということで当時は観光業に絞って探していました。

そして始まった一社目の選考。
面接で必要な自己紹介、自己PR、長所・短所くらいは考えていましたが、就活の軸や自己分析の重要性をそこまで理解しておらず、その場しのぎで考えて話していました。

案の定言葉が詰まり、準備不足を実感。もちろん落ちる想定でしたが、

面接官の方に「もう一度選考受けてみる?」と言われたんです。

その時私は心の底から、情けなさ恥ずかしさ、そして会社に失礼極まりないと思いました。会社もかなりの時間を割いて選考の準備などをしてもらっていたのに、就活の軸についても答えられなかったし、社会人になって働きたいという意思も伝えられなかった。

そう思い、私は自己分析・就活の軸をしっかりと固めるようにしました。修行生活で培った事を生かし、以下のように自分のことを分析しました。

◇報告・連絡・相談(報連相)の重要性について強く理解している
集団生活において連絡・報告が一つないだけで統率が図りにくくなる点、相談においては先輩、後輩間でコミュニケーションを図ることでお互いの仕事のズレの修正、共有に繋がることはとても感じていました。

◇経験上、過去の失敗などによる迷惑を掛けたくない気持ちが強くなり、仕事の取り組み方が変化した
失敗は誰にでもあるものですが、続けてしまうと指導してくれる方の時間を奪ってしまうこと、成長を期待してくれる人に対してのお返しにならないと思うようになったこと。取り組み方の変化とすれば、成長することにより、周りの人から頼られることの嬉しさ、私自身でできる幅が広がることに対しての楽しさ、自信に繋がりました。

社会人として必要な考えや過去の経験について共有していくと会社の人事はしっかり受けとめてくれ、社会人になるにあたって“仕事への意志”が伝わるようになりました。

日本交通との出会い

当時はコロナ禍で、志望していた観光業界が募集を絞っており、本当に壊滅的な状況でした。
「じゃあほかの業界を見てみよう」
そんな軽い気持ちで、タクシー会社の説明会を受けてみました。

説明会を受ける前のタクシー業界のイメージは「中途の方のお仕事」、「過酷な労働時間」というものでした。ところが説明会を受けてみると180度イメージが変わりました。

「中途の人のお仕事ではなくなってきている」
「長時間だが、一日に二日分を働く→プライベートが充実できる」

と思い、
それ以降はタクシー業界も視野に入れ、日本交通を見つけました。

日本交通で一番私が魅力に感じたのは

「若い新卒社員が現在進行形で活躍している」

ということ。
これは修行の経験によって“自信”“成長”の意味が理解できた私にとって、とても惹かれる一言でした。説明会を受けて、若手から輝きたいということで入社した人事から丁寧に"事実"を伝えてもらい、説明会後の人事面談では"自分"への興味、理解を持ってお話していただきました。

他の会社とは違い、エントリーをしたひとりひとりとの時間を大切にしていることが伝わったのも、ここでした。

入社して

結果、順調に選考が進み、内々定をいただきました。

タクシー業界に当初持っていたマイナスなイメージは、説明会や人事の方からのメッセージのおかげで大きく+に変わったし

「若い新卒社員が現在進行形で活躍している」

という会社の現状が、私にとって社会人人生が有意義になる日本交通の未来性、今後どんどん変化していく可能性があるこの会社に飛び込んでみよう!と思わせてくれました。その後、内定誓約書にサインし、正式に入社を決めました。

最後に、声を大にして伝えたいことは、リクルーターSさんの存在です。内定から入社までやり取りをしていた担当のSさんとのやり取りが、入社を決めた理由の一つでした。日本交通では、人事は会社の方針のみに固執するのではなく、

「Sさんのように素敵な人柄を自然にさらけ出して働いていける環境がある」

という直感がありました。Sさんのみならず、選考イベントにおいて新卒採用人事の

「いい意味のあどけなさ」

もそんなイメージに繋がっているのではないかと思いました。

実際に入社してみると、いい意味でギャップがありませんでした。大学生時代の激動の修行生活を経て大きく人生観が変わり、社会人になりました。

日本交通では、年齢層が幅広く、様々な考えや価値観を持った人がいます色々な方と触れ合うことで、私の理想の人間像、目標に近づいていけると思っています。

これから私がどのように輝いていくのか、楽しみで仕方がありません。

Text : Yuma Naka


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