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【読書記録】変な家

おすすめ度 ★☆☆☆☆

ううーーーん、悪い意味で予想通りの本だった。
好きな方には申し訳ないけど、小説の体をなしていない。Youtubeとかマンガで見たら面白いのかもしれない。
悪口を書くので、好きな方は読まないでください。すみません。

かがみの孤城」を読了した小6息子に、なにか他に読みたいものないかと聞いたらでてきた「変な家」。
あぁ…Youtubeとかマンガの広告でよくでてくるやつね。確かに気になるよね。

でも、脳裏にちらつくのは懐かしのケータイ小説。文体やら表現力に謎のこだわりがある私には到底受け入れられないあれらの作品が、ドヤ顔で書店に並んでいた暗黒時代(言い過ぎ)。
「変な家」もそのニオイがプンプンする。マンガ試し読みの出落ち感が否めない。
しかし、息子がせっかく読みたいと言っているし、私もミーハー心で真相は知りたいし…ということで中古で買った。

で、冒頭の感想に至る。小説の体をなしていない。事件の経緯を、会話形式で説明しているだけ。
名前以外の人物描写がないので、人の区別がつかない。間取り図もたくさん出てくるし、マンガかYoutubeがいいんだろうなぁ。そもそも小説、というか文学作品として評価しようとする私のほうが間違っている気がする。これがYoutubeの字幕をそのまま本にした作品だと思えば、楽しいのかもしれない。


改めて、小説家ってすごいんだと思う。
良い作家さんは、ストーリーの面白さだけでなく、言葉選び、構成の仕方、文章の空気感、テンポなどが考え抜かれている。「伝える」技術が高い。
やっぱり、小説を読む醍醐味はそこにあるのだと思う。少なくとも私にとっては。

例えば「〇〇は恐怖を覚えて青ざめた」なんて表現があったとして、「恐怖を覚えた」「青ざめた」なんて説明的な言葉を使わずに表現して欲しい。
「古く陰気な屋敷」なんて言わずに、古くて陰気な様子を描写して欲しい。そこにシビれる憧れるぅ、がしたいのだ。


というわけで、小説こじらせ女である私には全然だったのだが、小6息子は面白かったらしい。
ストーリー自体はミステリー?ホラー?な感じなので、単純に怖い話としてワクワクするんだろう。
「どうしよう、お風呂一人で入るの怖いよー」といっていて、小学生らしいリアクションが微笑ましかった。

私の冷ややかな評価を聞いた後は、ため息をついて

「はぁ…お母さん、わかってないな。推理小説って読んだことある?あんまりないでしょ?」

となぜか上から目線で蔑まれた。
いや、お前もないやろ!!!

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